伊藤孝司著「原爆棄民」
1年前の7月に旧日銀広島支店で写真展「在朝被爆者と平壌の人びと」今日からスタートです。伊藤孝司写真展「在朝被爆者と平壌の人びと」: 新・ヒロシマの心を世界にを開催した伊藤孝司さんの新著「原爆棄民 韓国・朝鮮人被爆者の証言」が、15日発刊されます。
この本は、1987年に発刊された「写真集 原爆棄民」の復刊ですが、伊藤さんが「増補改訂版」としているように、1987版以降の韓国での取材を加えるとともに、2回目の訪問となった1998年から始まった朝鮮民主主義人民共和国での在朝被爆者の取材で得た被爆証言が新たに加わっています。
同書を紹介するチラシには次のように書かれています。
「広島や長崎では7万人の韓国朝鮮人も被爆。彼らは日本人被爆者と異なる戦後を送らざるを得なかった。」とし、さらに「忘れてはならない歴史がある。日本の朝鮮植民地支配の結果、生活できなくなった多くの朝鮮人が、日本に渡ってきて被爆した。本書に収録した被爆者たちの言葉から、近代の日本と朝鮮半島との歴史が見えてくる。『日本被団協』のノーベル平和賞受賞、そして被爆80年に合わせて、改めて韓国・朝鮮人が被爆したことの意味を問う。また、知られていない朝鮮民主主義人民共和国で暮らす被爆者17人の証言も収録!」
目次を紹介します。
目次
第1部 韓国・日本で暮らす
1 植民地・強制連行 31人の証言
2 被爆 49人の証言
3 帰国・在日 49人の証言
解説 韓国・朝鮮人被爆者-その歴史と存
在の意義 鎌田定夫
第2部 朝鮮で暮らす 17人の証言
解説 伊藤孝司
合計146人の証言が掲載されています。
韓国を47回、朝鮮民主主義人民共和国は43回訪問した伊藤さんならではの本と言えます。
在朝被爆者の被爆体験がこれだけまとまって出版されるのは、今回が初めてだと思います。在朝被爆者問題を取り組んできた一人として、この本を通して一人でも多くの市民のこの事実を知ってほしいと思います。
伊藤さんは、次のように書いています。
「私は長年にわたり、日本の植民地支配や侵略によって被害を受けた人々への取材にこだわってきたのは、日本が再び加害者にならないためである。日本にとって不都合で隠してしまいたい歴史であっても、それと正面から向き合うことからしかアジア太平洋の人々との信頼関係を築くことは出来ない。」
被爆80年は、侵略戦争終結80年でもあります。そのことを考えるよい本だと言えます。
全編415頁の大作で、定価は3960円と高価ですが、ぜひ読んで欲しい本です。
いのちとうとし
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