ふくもとまさお著「『小さな平和』を求めて」
3月14日のブログふくもとまさお著「原発の町から普通の町に」: 新・ヒロシマの心を世界にで紹介したふくもとまさおさんから新著「『小さな平和』を求めて」が届きました。
この本のサブタイトルは「ポツダム・トルーマンハウスとヒロシマ・ナガサキ広場の記録」です。
この本は最初電子書籍で発行されましたので、ふくもとさんは、電子書籍あとがきの冒頭で次のように書いています。
「この本は、ヒロシマ・ナガサキ広場の市民の活動を記録しながら、原爆投下に係わる戦中からポツダム会談、戦後の歴史について書いている。市民活動の記録ということから、出来るだけ中立に事実を伝えることに心掛けた。感傷的な表現も避けた。広場に記念碑を設置するには、被爆体験者の外林秀人さんと石刻家の藤原信さんの存在がなくてはならなかった。」
「ヒロシマ・ナガサキ広場」は、ドイツ・ポツダムに今も残るトルーマンハウス(ポツダム会談に参加したアメリカ合衆国大統領がトルーマンが滞在した邸宅)前の道を挟んで広がるといっても小さな広場に付けられた名前です。トルーマンは、この邸宅に滞在中に「原爆投下の最終指令を出した」といわれており、その史実を忘れないようにと市民運動が起こり、2005年12月ポツダム市議会が、この広場を「ヒロシマ広場」と命名することが決議されます。そして翌年6月15日から「ヒロシマ広場記念碑設置のための募金活動」が開始され、2010年7月25日に記念碑が完成し、除幕式が行われました。
そして、2012年1月12日に広場の名前は「ヒロシマ・ナガサキ広場」と改名されます。
まえがきに登場する外林秀人さんは、ドイツ在住の被爆者として「募金活動」のため、ドイツ各地で「原爆体験」を語ってこられました。この外林さんの証言活動が、「募金活動」の推進力にもなりました。外林さんは、広島の被爆者です。2011年には、ポツダム市の名誉市民となっています。
藤原信(まこと)さんもドイツ在住者で、公園に設置された記念碑の設計・工事者です。お二人とも今は亡き人ですが、私も親しくしてきたお二人ですので、この本を読みながら懐かしくその姿を思い起こしています。
ところで言い過ぎかも知れませんが、私もこの記念碑建立には、少しだけ重要な役割(と自分では思っています)を果たしました。
重要な役割と書きましたが、それが誇張でないことは、本書82頁から86頁に記述された「広島、長崎の被爆石を記念碑に入れる」の項に、詳しく記述されていますので、それを読んでいただければ理解していただけるものと思います。
手前の碑文が刻まれ石板の右が広電の被爆敷石、左が長崎山王神社の被爆石。右後ろの建物がトルーマンハウス
ですから、2010年の除幕式、2015年の追悼式(いずれも7月25日)にも灯籠を持って参加しました。
この本は、「ヒロシマ・ナガサキ広場」の経緯を縦軸に、原爆開発に係わる歴史を横軸に、話が展開しますので、歴史を学ぶ書でもあります。特にふくもとさんが独自に調べた、戦中における日独原爆開発についての詳述は、これまで余り多く語られることのなかった歴史ですので、その意味でも貴重な書です。
ふくもとさんは、電子書籍(2021年2月)のあとがきを次の文章で締めくくっています。「この本によって、ポツダムのヒロシマ・ナガサキ広場の記録が残り、広場のことが日本でもたくさんの人に知っていただけたら幸いです。」
そして、その後に得た日独原爆開発協力に関しての情報を加え、紙の本を出すことを決意したとしています。
さらに「紙の本出版に寄せて」では、環境問題を取り組むふくもとさんらしい文章が登場します。
「問題は、電子書籍にした理由である紙のことだった。日本の出版界では依然として、環境問題を考えた紙が使用されていない。しかし、紙の本にするには、どうしても持続可能な森林管理を認証するFSCマーク付きの紙で出したい。元々は、この本を最初にFSCマーク紙で出版することを考えていた。そのため事前に、FSCジャパンにも問い合わせている。日本でもFSCマーク紙で出版できることがわかった。」
その出版社が、この本の出版社であるアケビ書房です。
その意味でも応援して欲しい本です。本の定価は、税込み2200円ですので、購入していただけると嬉しいです。
いのちとうとし
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