中国電力、カルテル株主代表訴訟の経過をお知らせします
皆さんの中には、中国電力カルテル事件の株主代表訴訟がどうなっているのか連絡がないことを、心配しておられる方も多いと思いますので、簡単にこの間の裁判の経過についてお知らせしたいと思います。
広島地裁での株主代表訴訟は、昨年2月5日に初公判が行われ、第2回が非公開で同じく昨年4月10日に行われました。
この度のカルテル事件においては、大きく次の三つの裁判が行われています。さらに正確に言えば、もう一つの手続きを加え、4つの審査があります。
①私たちが起こしている、カルテル事件を起こした当時の中国電力取締役の全員を被告としている株主代表訴訟です。昨年4月10日に非公開で行われた第2回以降、非公開を含め次回の口頭弁論は決まっていません。
②さらに、中国電力が原告として同じく中国電力の、カルテル事件が発生した当時の取締役3人に対して起こしている損害賠償請求事件です。この二つの裁判が広島地裁の同じ裁判官において行われているために、ややこしいというか、とても興味深い形となっています。
③なぜこの裁判が進まないのか疑問をお持ちかとも思いますが、その理由は、中国電力が公正取引委員会から出された、独占禁止法にもとづく「排除措置命令」および707億円を超える課徴金納付命令の取り消しを求めている訴訟があるためです。この裁判は、東京地裁で行われています。広島地裁としては、東京地裁での結論が出されないと、自らの判断を行いたくないという、まさに自主性の無い状況が続いています。
私たちは、東京地裁での裁判に「補助参加」することを求める申し立てを昨年7月に起こしましたが、却下されました。却下はされましたが、この審理でカルテル事件の中での、中国電力と関西電力の当事者たちが行ったリアルなやり取りが明らかになりました。中国電力の取締役らへの、公正取引委員会の取り調べ書は、膨大になっています。
④もう一つは、カルテル事件を起こした当時の中国電力の取締役会と監査等委員会に対し、会社法に基づき、裁判所の許可を得て閲覧できるように求める審理が行われています。
この審理は広島地裁の、別の裁判官による審尋という形で行われています。年度末までに和解をする予定で、まさに詰めの審理が行われています。この3月31日に第7回の審尋が入っています。
ご存知の通り、カルテル事件の株主代表訴訟は中国電力だけでなく、中部・関西・九州の株主で行われています。定期的にZOOM(会議システム)による打合せを行い、情報を共有しながら連携して取り組んでいます。
簡単な報告となりましたが、引き続きご支援をよろしくお願いします。
木原省治
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報告ありがとうございました。裁判はわかりにくいなという感想を持ちました。人間は忘れやすく事件への関心も薄らで行く中で、定期的に報告していただけるとありがたいです。長い戦い、健康に気を付けてがんばってください。
投稿: 横浜リカ | 2025年3月26日 (水) 09時33分
横浜リカさん、コメントありがとうございます。
私自身がカルテル事件のことを過去のことにしないために、みなさんに報告を行いながら頑張ってまいります。
代理人を引き受けていただいている弁護士さんの、情熱にはいつも感謝しています。
投稿: 木原省治 | 2025年3月27日 (木) 16時24分