あの日がやってくる!
14年目の「3・11」がやってきます。「3・11」と言っても、最近解らない人が多くなったとも聞きます。
あの日は金曜日で、広島市はとても良い天気で、地震が発生した時刻の午後2時46分は職場の休憩室でテレビを観ながら同僚と雑談をしていました。
この週初めの日曜日に京都で反原発新聞の会議があり、そのまま茨城県東海村で知人に会い、福島県に向かう予定の旅行を計画していましたが、しかし東京で政府交渉を行うという連絡があり、東海村を終えて東京経由で帰広しました。広島に着いたのは、3月9日の水曜日だったと記憶しています。水戸駅からの常磐線に乗り、電車が走りだすと同時に、右側の車窓に偕楽園の梅林が見えたのは鮮明に覚えています。計画通り福島に行ってたら、どういう経験をしたのかは分かりません。
あれから14年、ルポライターの鎌田慧さんが、さようなら原発1000万人ニュースの第37号に、『まるでほとぼりが冷めるの待っていたかのように、というべきか、それとも臆面もなく、というべきか。政府は昨年末にまとめた新しい「エネルギー基本計画」の原案で、最大限活用」に転換した』と書いておられました。
3・11後、民主党政権から自民党安倍晋三政権に変わった後のエネルギー基本計画でも「可能な限り原発依存度を低減する」と書き、第4次までフクシマの反省の上に立った計画となっていました。この度の「最大限」への大転換は、まさに究極の裏切りとしか言えません。
こんなことでは、子どもたちへの躾(しつけ)も教育もできません
計画では新規原発の建設費用を7203億円としていますが、近年海外で建設されている費用は数兆円とされています。島根原発の安全対策費は現時点でも1兆円を超えると言われます。発電コストについても、追加安全対策費、核燃料サイクル費用、事故リスク対応費を入れると1キロワットアワーあたり24円程度になるという数字を、原子力市民委員会の大島堅一さんは指摘しています。
再生可能エネルギーによる発電コストは、1キロワットアワー当たりの単価で事業用の太陽光で8.17円、陸上風力で12,73円という数字も出されています。
14年目を迎え、避難地域の一部解除が報じられますが、原子力資料情報室通信に「2022年秋の航空機モニタリングに基づく、現在・将来のセシウム137汚染マップと面積」というのが掲載されていました。このマップによると、198年後の2222年に、セシウム137の4万~50万ベクレルの地域が2平方㌔㍍残されていました。
今後198年間、事故が起きなければ、その時は「終息」と言えるかもしれませんが、そういうことはあり得ないことだと思っています。
原発回帰は福島原発事故の再来を招く、最も危険な選択といえます。14年目のあの日を迎え、こんなことを考えていました。
木原省治
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