高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設問題で説明会
2月13日、資源エネルギー庁と原子力発電環境整備機構(NUMO)が行う「高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する対話型全国説明会」が広島市内で開かれました。昨年5月から全国15都府県で開かれているもので、広島は12会場目となります。また、12月からは、北海道の2町村(寿都町・上恵内村)の文献調査報告書の説明も加わり、地層処分による最終処分場建設に理解を求めようとするものです。
説明会は約2時間半。二つの部屋に分かれ、最初に地層処分の説明が映像と口頭で行われ、その後北海道の文献調査状況の説明がされ、ここまでで1時間10分程度。10分の休憩の後6~7人ぐらいの複数のグループに分かれ、グループごとでの質疑が70分程度行われました。
当日は撮影禁止のため中国新聞から転載
説明は、高レベル放射性廃棄物の地層処分の仕組みを始め、火山・活断層・地下水・地震・津波・輸送等々、様々なリスクを挙げながら、その対策や見通しなどを述べ、「将来世代への負担が小さく、現状では最も安全で実現可能と国際社会でもなっている」と地層処分の安全性と必要性が話されました。
グループ質疑は参加者が疑問や質問をメモに書き、広報と技術者の二人がそれを見て答えることで進められました。
私は、「地層処分という方法が技術的に最も安全であるかどうかは、私の知識では判断できないが、仮にその方法が今の最善であっても、廃棄物を出し続ける原発を稼働し続ける中での最終処分は納得できないこと。とりわけ、チェルノブイリや福島原発事故を始め、原発政策を転換できる出来事があったにも関わらず、またも原発推進へと動きながら、処分場建設に理解を求めようとするなど考えられない」ことを述べました。
NUMO側からは、「エネルギーの乏しい日本で、安定的にエネルギーを確保するには原発に依存せざるを得ないというのが国の判断」との趣旨が話されるに留まり、議論が深まることはありませんでした。
また、説明会ではNUMO側から「自分ごととして考えてほしい」「自分事として考えるきっかけになれば幸いです」と何度も言われたことに、違和感を持ちました。
どのような形であろうと何らかの処分をせざるをえないことは理解できます。しかし、一方で新たな廃棄物を出し続けておきながら、文献調査に応じた自治体や人々が考えていて、そうでない自治体や人々が考えていないかのように宣伝することは許されません。
説明会の冒頭NUMOから、東京会場で最終処分場を北方領土に建設したらどうかとの提案に、NUMO幹部が「一石三鳥四鳥」と応じたことのお詫びが述べられました。そうしたこともあってか、説明は極めて低姿勢で丁寧に質疑にも応じていましたが、参加者の声に何かを変えよう、考えようという姿勢を感じることは、当然でしょうができない説明会でした。
(県原水禁事務局長 大瀬敬昭)
【編集者】私も「どんな説明会になるか」と興味がありましたので、参加しました。会場受付で大瀨さんの姿を発見。大瀨さんに原稿をお願いしました。私も大瀨さんと同様の思いを感じた説明会でした。
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