吉島稲生神社の被爆樹木
先月、修道学園の慰霊碑を見ることができなかったので、その後吉島稲生神社まで足を伸ばしました。吉島稲生神社は、吉島線のバス通りから西側に少しはいったところにあります。爆心地からは、2,160mの距離です。
10年以上前には、この吉島稲生神社の近くのお店に何度も買い物に来たことがあったのですが、その時には、被爆樹木のことに強い関心が無かったため、気にすることもありませんでした。最近テレビ番組で、吉島稲生神社の被爆樹木が紹介されたことがあり、いつか見に行こうと思っていましたので、ちょうどよい機会だと訪れることにしました。
こじんまりとした境内ですが、5本の被爆樹木があります。
最大の被爆樹木は、拝殿と本殿の間に植わるクスノキです。
この木は、高さは20.5m、幹回り3mという巨木で、「広島市指定保存樹」となっています。
本殿右横には、エノキが植わっています。
この木も「広島市指定保存樹」で、高さは14.5m、幹回り2.1mの巨樹です。
鳥居の横には、ツバキが植わっています。
花が咲いていてもよい時期だと思ったのですが、まだつぼみの状態でした。
広島市の被爆樹木リストには、この他にクロマツは2本登録されています。
そのうち写真に収めたのは、1本だけです。
最初に被爆樹木は5本と紹介しましたが、急きょ訪れることになったため、5本ということを知らずに現地を訪れましたので、4本を確認しただけでした。帰宅後、広島市の被爆樹木リストを確認して初めて5本ということがわかりました。私が写すことのできなかったクロマツの写真が、広島市の被爆樹木リストに掲載されています。
言い分けになりますが、この写真をよく見ると他の樹木覆われた感じですので、誰かに尋ねないと見つけることができないように思えます。近いうちもう一度、訪ねて確認しようと思います。
ところで、広島市の被爆樹木リストから、樹木の写真を検索すると次のような紹介文が目に入ります。
「被爆当時、吉島稲生神社の社務所はこれら境内の樹木に守られたため、倒壊を免れ、ここで被爆によって焼け出された人々の治療が行われました。」
この文章を読みながら、私が現地を訪れた時、不思議な思いで本殿の石垣の側面に貼り付けられた看板をみたことを思い出します。
そこには次のように書かれています。
「原爆に耐えた吉島稲生神社 当本殿は、昭和2年2月に改築建立された。昭和20年8月6日の強い爆風で本殿の銅板屋根が浮き上がり南側の用水路に落下した。間もなく町民の手で,本殿の欠落した垂木を補い屋根を元通りに戻した。屋根のあまり丁寧でない細工を見ると当時の困難が偲ばれる。」
よくよく本殿を見たのですが、私の目には、どの垂木か判然としませんでした。
吉島稲生神社の境内には、被爆の歴史を示すものがたくさん保存されていることがわかりました。
広島原爆戦災史第4巻には、16の神社の被爆状況が掲載されていますが、その中には吉島稲生神社は入っていませんので、これ以上被爆当時の様子を知ることはできません。
いのちとうとし
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