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2024年12月14日 (土)

「不当判決」ー被爆二世裁判広島高裁判決

2023年2月の広島地裁判決を不服として,広島高裁に控訴して争っていた広島被爆二世集団訴訟に対し、昨日12月13日広島高裁高宮健二裁判長は、原告の控訴を棄却する不当判決を言い渡しました。黒い雨訴訟で、原告勝利の判決を出した広島高裁だけにと期待がされましたが、その期待を全く裏切るものでした。

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今回の判決は、広島地裁判決は、下記の弁護団、原告団声明にも書かれているように,国側の主張を意図的に重視し、放射線被害の遺伝的影響を肯定する科学的根拠は示されていない、と基本的に国の主張と同様の判断を示しました。被爆二世の健康、生活不安に向き合おうと言う姿勢を全く感じることができずないしないもので、到底容認できるものではありません。

記者会見の後、弁護団、原告は、直ちに最高裁への上告を決定し、上告手続きに入ることを確認しました。

以下に、少し長いのですが、弁護団・原告団声明を掲載します。


2023年27日の広島地裁判決に対する控訴審において、本年1213日、広島高裁は、私たちの控訴を棄却するとの判決を示した。第1審広島地裁の判決に続いて、結論において、私たちの求めた被爆二世に対する賠償を否定したことは、到底納得し得るものではなく、強く抗議する。

 原爆による放射線の被害は、19458月に広島・長崎の人たちが人類史上初めて経験したものであり、極めて多数の人たちが、瞬時に、そして耐えがたい苦痛の末に命を失い、また被爆による深刻な健康被害に苛まれてきた。日本政府は、被爆者の切実な訴えを受けて、ようやく1957年に原爆医療法を制定し、以降現在の被爆者援護法によって被爆者援護の政策を続けてきた。原爆放射線が人間に遺伝的影響を与えるかについては、すでに1950年代から指摘されてきたことであり、現在に至るまで、多くの研究者がその影響を否定できないことを動物実験等科学的根拠をもって明らかにしてきた。現実に多くの被爆二世が、何らかの形で原爆放射線の影響を受けていることは否定できず、多くの二世が白血病や様々なガン等の疾病に苦しみ、またほとんどの被爆二世が健康に不安を覚える日々を過ごしてきた。

 私たちは広島地裁において以上のことを切々と訴えた。同地裁は、放射線被害の遺伝的影響の可能性を認め、この点における原告らの主張の正当性を認める判断を示したと理解することができるものの、結論的に、被爆二世に対する援護措置については、「立法府の総合的政策的判断を要する合理的な裁量的判断に委ねられている」として、私たちの請求を棄却した。

 被爆者援護法は、原爆放射線により健康被害が生ずる可能性がある事情の下に置かれていた者を援護の対象としていると解されることは、地裁も高裁も認めている。そうであるならば、当然被爆二世に対しても同様に援護法による援護がなされるべきは明らかである。

 しかし、このたびの広島高裁判決は、「現実に放射線を直接浴びた可能性のある被爆者及びみなし被爆者と、被爆時には存在していなかった被爆二世とでは、原爆の放射能により健康被害が生じる可能性の前提となる、ヒトに対する放射線の影響(被爆二世については遺伝的影響)に関し、その基礎となる医学的・科学的知見において顕著な差異があるというべきである」とし、「被爆二世の訴える健康上の不安に対処すべく、被爆二世を援護の対象に加えるか否か、その援護の在り方については、総合的・政策的判断を要する立法府の合理的な裁量的判断に委ねられているというべき」と、極めて恣意的な、地裁判決と同様の解釈を示し、不当にも私たちの主張に正面から応えようとしなかった。

 のみならず、広島高裁判決は、国側の書証、国側の証人の証言を意図的に重視し、放射線被害の遺伝的影響を肯定する科学的根拠は示されていない、と、基本的に国の主張と同様の判断を示している。今回のような不当な司法判断を確定させることは到底できない。

 しかしながら、被爆二世訴訟においてこれまで示された裁判所の結論は、いずれも「立法府の合理的な裁量的判断に委ねられている」というものである。国会が被爆二世について立法的措置を講じるか否か、大きな課題とされていること自体は否定できないところである。

 私たちはあくまでも、国の被爆二世に対する援護についてのこれまでの国の態度を根本的に改めさせるために、そして、世代を超えた“核”による人類への重大な影響を明らかにし、最終的には核兵器の廃絶を実現するために、最後まで闘いを続ける所存である。


判決も原告側の主張は認めなかったものの「立法府の合理的な裁量的判断に委ねられている」としていますから、今後はさらに国会への働きかけが重要になります。

いのちとうとし

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