新著「『原爆裁判』を現代に活かす」を拝受
日本反核法律家協会会長の大久保賢一さんの新著「『原爆裁判』を現代に活かす」が、著者から郵送されてきました。
大久保さんとは、数年前反核市民団体が行った外務省との話し合いの場で同席したことがあり、それ以来、毎年のように発刊される新著を贈呈していただいてきました。
先日、新聞広告でこの新著のことを知り、『原爆裁判』という文字に惹かれて、購入しなければと思っていたところに,この本が届きました。
ゆっくりと読みたいと思いますが、今日はそのさわりを紹介したいと思います。
大久保さんは、まえがきの中で、この本を出す契機になったことを次のように書いています。
「この『法とは何か』は、2024年4月から9月末まで放映されたNHKの朝ドラ『
虎に翼』のテーマの一つでした。私はこの『虎に翼』を感動しながら見ていました。・・・とりわけ、『原爆裁判』を描くシーンは、原爆という『残酷な兵器』が被爆者にもたらしたものは何か、それを法や裁判がどのように向き合うべきなのかを正面から問いかけるものでした。・・・三淵さんが『原爆裁判』にかかわっているので、その裁判資料を保管している日本反核法律家協会の会長である私を取材したのです。『原爆裁判』を出来るだけ多くの人に知ってもらいたいと考えている私は、喜んで取材に応じました。」
さらに「私は、そのようなドラマで『原爆裁判』が描かれないことなどありえないと思っていましたが、現実に描かれた場面を見て,本当に感動を覚えました。」
私は、朝ドラ「虎に翼」をずっと通して視聴したわけではありませんが、「原爆裁判」が描かれたこの週だけは、録画をして観ましたので、改めて「原爆裁判」について学ばなければと思っていました。
先日の被爆二世裁判の時、在間弁護団長から、当時の判決文の資料をもらったこともあり、より関心が深まっていました。
そんなときに届いた「『原爆裁判』を現代に活かす」ですので、興味は尽きません。
特に大久保さんがまえがきで書かれているように「裁判資料を保管している」ものとしての著作だけに、貴重な内容と言えます。
目次を見ると、第一章が、「『原爆裁判』とは?」で、①裁判の当事者②裁判の提起③被告国の対応④裁判所の判断⑤鑑定人の意見⑤被害者の損害賠償請求権⑦対日平和条約による請求権の放棄について⑧判決の背後に何があったのか、の順で「原爆裁判」がまとめられています。
興味を引くのは、③の「被告国の対応」ですので、該当するページを開きました。
1945年当時、「原爆投下は国際法違反」としていた政府が、この裁判係争中の1956年には「国際法違反ではない」とし、さらに「原爆の使用は日本の降伏を早め、戦争を継続することによって生ずる交戦国双方の人命殺傷を防止する結果をもたらした。このような事情を客観的に見れば、広島・長崎に対する原爆投下が国際法違反であるかどうかは、何人も結論を出しがたい」と、原爆被害を他人事にいう今の政府に継続している考えが、ここで表明されたことがわかります。
そうした政府の考えに同裁判官が対応したのかなどなど、しっかりと読み込み、改めて「原爆裁判」から学びたいと思います。
いのちとうとし
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