どうしても理解できない島根原発2号機の再稼働
12月7日午後、島根原発2号機の再稼働が強引に開始されました。
12月に再稼働すると聞いた時、この日を予測していました。なぜか、それは7日が「大安」だからです。これまで、この会社を40年以上見てきましたが、大きな行事を行う時は大安を選ぶのです。大安で且つ土曜日、ニュース報道も少ない中、予測が的中しました。こんな会社なのです。
島根原発の危険性については、11月25日付けのブログにも書きました。しかし、時々「原発の危険性は解るけど、電気が無いと困るから」という質問を受けることがあります。こういう質問は街頭でマイクを持って話している時が多いのです。
だからこの際、あえて原子力発電の危険性という問題を外して、それでも発電所は要らないという話しをしたいと思います。
電力の需要と供給の割合を現わすものに、「予備率」というのがあります。需要量に対し供給量がどれだけあるかというものを示すものです。例えば100の供給量に対し90の需要量の場合、予備率は10%となります。
先日中国電力ネットワークは、この冬期(12月~2月)の予備率の予測を、が発表しました。電力需要は常に変動していますので、最大利用時で予備率を予測していました。
その発表によると、いずれの月も11%を超えています。この数字は島根原発2号機の再稼働がされていないという前提で算定されたものです。最低限必要な予備率は3%とされていますから、10%を超える予備率は電力の余り過ぎを数値で示しています。島根原発2号機が発電を始めると、予備率はもっと上がります。
また、出力制御(抑制)というのがあります。電力供給量が需要を上回る場合に、再生可能エネルギー発電を行っている事業者に発電停止を求めることです。発電された電力を中国電力が買い取らないことです。再生可能エネルギー発電の電力をゴミ箱に捨てることです。
注 上記グラフは、中国電力の12月9日午後5時現在の需給見通しと実績 棒グラフは、水色は当日実績、薄い緑色は当日予想。赤色の折れ線は、太陽光発電実績、上部にある赤い横線は、ピーク時供給力で、使用率は80%前半で推移 |
主に太陽光と風力による発電が出力制御されます。この回数も数値も中国地方は全国で3番目に多いのです。
一般的に出力制御は、電力需要が少ない春や秋の時期が多いのですが、中国地方では11月28日の時点で46日間実施したと発表しました。1月1日から11月28日までは333日ですから、7日間に1日は出力制御を実施していたことになります。
出力制御は、再生可能エネルギー事業者の意向に関わらず、中国電力ネットワークにより遠隔操作で行われます。再生可能エネルギー発電事業者にとってはまさに死活問題です。
島根原発2号機は電気出力82万Kwの発電所です。再稼働されれば、供給量が82万増えることになります。原子力発電をベースロード電源とも言いますが、これは電力使用量の変動に対応できない電源というものです。そうなると、ますます出力制御の回数が増えてくるのは明らかです。
そこまでしてなぜ原子力発電を動かすのか、どうしても理解できないことです。夜間には太陽光発電は発電しないと反論がありますが、電力を貯めることは日本では十分に可能な技術です。あえてやらないで原発が必要というのは、まさに詐欺的な行為だと思っています。
木原省治
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将来の電力需要はどうなのですか マイクロソフトがあのスリーマイル島の発電所の利用を契約したとか 北海道に工場ができる その工場の消費電力は北海道電力の2割が必要だとか 大きなコンピューターは1㎡辺りファンヒーターが80個ある位の発熱がある それを冷却する電力は莫大な電力量だと 大型コンピューターは面積で1㎡ではないです それの何百倍以上です アバウトで具体的な数値は今出せません あの資料はどこだったのだろう
投稿: 。。。。 | 2024年12月12日 (木) 00時50分
コメントありがとうございます。来週にも「案」が出されるとされている、第7次エネルギー基本計画の審議の中で、エネルギー庁からAI(コンピューター)産業が電力消費を増やすという理由が出されてきました。私は、これまで電力会社や政府から、原発が必要という理由を聞いてきましたが、「AI産業」が理由にされるとは思いもよらないことでした。
むしろ専門家たちは、コンピューター産業が消費電力の増加になるということに否定的です。これまで、どんどんコンピューターの省エネは進んでいます。計算センターの費用は電気代が大部分という中で、必死になって電気代の節減に取り組んでいます。
SNS関連産業は「R100」宣言し、再生可能エネルギーの電力利用に取り組んでいます。
これからもコメントは歓迎ですが、なるべくお名前を記していただきたいと思います。
投稿: 木原省治 | 2024年12月12日 (木) 12時03分