被爆バイオリン特別演奏会
7日の午後5時30分から、旧日銀広島支店で「被爆バイオリン特別演奏会」が開催されました。
この演奏会は、中国新聞が主催し広島市が共催して11月1日から12月25日まで開催される「未来へ繋がる 平和の軸線~ひろしまピースライン~」の「被爆建物 特別展示演奏会」の一環として開催されました。
3日には、平和公園レストハウスで「被爆ピアノ特別演奏会」が行なわれました。被爆ピアノの演奏は何度か聴く機会がありましたが、被爆バイオリンの演奏を聴くのは初めてでしたので、聞きに行きました。
ひろしまピースラインのチラシから
今回演奏で使われる被爆バイオリンは、1917年のロシア革命で祖国を追われ日本に亡命したロシア人セルゲイ・パルチコフさんが、所持していたものです。
現在の広島女学院の当時の校長に誘われたセルゲイ・パルチコフさんは、1926年から1943年まで生徒たちに音楽を教えることになったようですが、戦局の悪化ともに女学院をやめざるをえなくなったようです。
しかし、広島に住み続けたセルゲイ・パルチコフさんは、1945年8月6日午前8時15分、爆心地から2.5キロの牛田で家族やバイオリンとともに被爆することになりました。
セルゲイ・パルチコフさんは、戦後、バイオリンとともにアメリカに渡り、1969年に亡くなりましたが、その後長女が1986年に広島女学院に寄贈し、壊れていたバイオリンは修復され、同じ音色を取り戻し、同校で展示され、時々演奏会で使用されているようです。
被爆ピアノは、何台かあるようですが、被爆バイオリンで現存しているのは、この1本のみと言うことです。
今回の演奏者は、エリザベート音楽大学・大学院の生徒の皆さんで、バイオリン:森脇恵厘花さん、ソプラノ:村田菜さん、ピアノ:汲地紗弥さん、ウン チェンタッさん、クラリネット:山田夕果さん、フルート:シランクルス ランバルさんの6人でした。
バッハの「無伴奏ソナタ」を森脇さんが、被爆バイオリンで独奏することから演奏会はスタートし、ヴィヴァルディの「四季」より秋など、9曲あまりが1時間半の予定通り演奏されました。
私には、演奏そのものを評価する力はありませんので、多くの参加者の大きな拍手が起こったことだけを紹介します。
会場に私が着いたときには、40席足らずの席が用意されていましたが、その倍を上回る椅子が追加されるほどの盛況でした。
私も楽しい秋の夕べの一時を過ごすことができました。
いのちとうとし
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