国鉄原爆死没者慰霊之碑
城北通りの京橋川に架かる常盤橋の西詰め北側にある東白島公園に「国鉄原爆死没者慰霊之碑」が建っています。
この碑は、国労原爆被爆者対策協議会が、1972年に建立を決定し、全国カンパを行なって、建立したものです。
除幕式と第一回慰霊祭が行なわれたのは、1973年8月6日で、合祀者は、262名です。
慰霊碑の後ろには、新幹線の高架と少し見え難いのですが、右側に京橋川に架かる鉄橋があります。
この碑のことを紹介します。
広島駅周辺でなくこの場所が選ばれたのは、「爆心地から1.5キロの山陽線太田川鉄橋の下。広島駅を発車し鉄橋にさしかかった貨物第377列車が爆風で脱線転覆し大事故となった場所」だったからです。
ところで、なぜ今「国鉄原爆死没者慰霊之碑」のことを書こうと思ったかです。
11月11日のブログ結成40周年記念・第10回先人を語る会: 新・ヒロシマの心を世界にで、先人の一人瀬戸高行さんのことを私が話すことになったからです。
瀬戸さんは、国労原爆被爆者対策協議会の中心メンバーとして、この慰霊碑建立に尽力された一人です。国鉄労働組合と国労原爆被爆者対策協議会が、2005年7月1日に発行した「この怒りを 被爆60周年特集号 第8集」の巻頭の写真特集では、慰霊祭で頭を垂れる瀬戸さんの写真が掲載されています。
この写真のキャプションには「慰霊碑建立に御尽力された瀬戸高行さん」と書かれています。
碑の紹介を続けます。先にこの慰霊碑は、全国カンパ(最終的には、約800万円)によって建立されたと書きましたが、碑のデザイン、碑文の作詞、碑銘・碑文の揮毫も組合員に公募し、その作品の中から選ばれています.まさに組合員によって作られた慰霊碑です。制作者の名前は、碑の後ろの壁に取り付けられています。
碑文です。
「天を撃つな 戦雲を射て 人を撃つな 戦禍を射て
原爆広島に眠る 無名の霊よ 国鉄の魂よ 霊の目はみつめ 魂の手はつかむ 平和と未来とを」
「この怒りを 第8集」に書かれたこの碑文の解説には「前段の『天を撃つな・・・』の碑文は、天に向かって立てられた反戦・平和を象徴する三角錐の碑と共に原爆・戦争に対する怒りを表し、後段の『原爆・・・眠る』の碑文は、大地に安置された球形の碑と共に犠牲者の霊を慰め、原爆の中に眠れる強き国鉄労働者の霊と魂が平和と未来とを見守っていることを表したものである」と書かれています。
労働組合が作った慰霊碑らしい碑文と言えます。
この碑を建立した「国労原爆被爆者対策協議会」は、1966年6月18日に発足していますが、労働組合として初めて組織された被爆者組織です。
日本被団協のノーベル平和賞受賞決定によって被団協や被爆者のことが連日マスコミで取上げられていますが、労働組合の被爆者組織に触れた報道を読んだり聞いたりしたことがありません。もう一つの大事な被爆者運動の歴史として、このブログで紹介しなければと思っています。
いのちとうとし
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