被爆79周年原水爆禁止世界大会広島大会主催者あいさつ
今年の原水禁大会広島大会開会総会でも主催者あいさつを行ないました。
私の主催者あいさつは、【被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会】 開会総会 (youtube.com)の2分48秒から視聴出来ますが、そのあいさつを今日、明日の2回にわけて掲載します。
被爆79周年原水爆禁止世界大会広島大会の開会にあたり、主催者を代表してごあいさつを申し上げます。
大変お忙しい中、ご来賓として出席をいただきました広島市村上慎一郎市民局長に大会参加者を代表してお礼申し上げます。
また連日厳しい暑さが続く中、遠く海外からそして全国各地から参加いただいた皆さん大変ご苦労様です。
今核をめぐる状況は、核兵器保有国の政治家たちが、核兵器の使用や威嚇を公言し、かつてない核兵器の使用が危惧される厳しい情勢です。
この危機を作り出しているのは、ロシアのウクライナへの軍事侵攻であり、
イスラエルによるガザへの非人道的なゼノサイドとも言える軍事攻撃に他なりません。
私が、広島の被爆者から学んだことは、「ヒロシマの心」ということです。
「ヒロシマの心」とは、核兵器に反対するだけでなく、いのちの尊厳を奪い、核兵器使用につながる戦争を許さないということです。
核兵器使用の危惧を取り除く道は、すべての軍事行動を停止させることです。
さらに強調したいことは、この軍事行動によって多くの子どもたちのいのちが奪われていることです。
本大会のスローガンは、「核も戦争もない平和な21世紀に」です。
この軍事行動に強く抗議するとともに、戦闘行動を中止し、直ちに戦争終結のための協議を開始することを求めます。
ジュネーブでNPT再検討会議第2回準備委員会が開催されている最中の7月28日に、
日本政府は、アメリカ政府との間で、「拡大抑止」と称して、軍事同盟の強化を謳い、さらに核抑止力を強化するという合意文書を交わしました。
岸田首相は、「核兵器のない世界は、私のライフワークだ」と繰り返し述べていますが、今回の日米合意は、岸田首相の言葉がいかに欺瞞で矛盾したものかを明らかにしました。
これは、「他の誰にもこんなおもいをさせてはならない」と思い出したくない被爆体験を証言し、核兵器の廃絶を訴え続けてきた被爆者の思いを踏みにじるものです。
核抑止によって、核の脅威から逃れることは出来ません。
核抑止をいうかぎり、核兵器なき世界の実現などあり得ません。
日本政府は、核兵器禁止条約を批准しない理由として「核兵器保有国と非保有国との橋渡しの役割を担う」と説明しますが、抑止力という核兵器の役割を肯定する国が、橋渡しの役割を果たすことは出来るはずはないのです。
現在、核兵器禁止条約の署名国は93カ国、批准国は70カ国です。
戦争被爆国である日本政府がやるべきことは、核抑止を強化することではなく、一日も早く核兵器禁止条約を署名批准することです。
1955年8月に、ここ広島で開催された第1回原水爆禁止世界大会に参加した人々は、初めて被爆者の訴えを聞き、被爆者の救済を約束するとともに、「原水爆が禁止されてこそ真に被爆者を救うことができます」と誓いました。
核兵器廃絶は、被爆者に対する原水禁運動の約束です。
厚生労働省は、この一年間で8、974人の被爆者健康手帳所持者が亡くなり、手帳所持者は、今年3月末時点で10万6825人となり、平均年齢も85.58歳になったことを公表しました。
被爆者に残された時間はわずかです。
被爆80周年の節目となる来年に向け、日本政府に「核兵器禁止条約」に署名批准させるための運動を強化することを呼びかけます。(つづく)
いのちとうとし
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