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2024年8月16日 (金)

国際シンポジウム「原爆文学の今を考える」

ここ数年8月15日は、広島文学資料保存の会・広島花幻忌の会・四國五郎の会が主催する集会に参加してきました。この集いは、2002年の8月15日に原爆ドーム前の原民喜詩碑の前で「原爆・反戦詩を朗読する市民の集い」として開催され他たのが最初で、今年で23回目です。

今年も、午後1時半から合人社ウェディひとまちプラザで開催された「第45回サントリー地域文化賞記念 国際シンポジウムー原爆文学の今を考える」に参加しました。

オープニングは、金秀光さんのアコーディオン「アリラン」の追悼演奏。その後全員で黙祷詩、集いは始まりました。

プログラムは、1部、2部構成です。

1部は、例年のように詩の朗読です。大田洋子、原民喜、栗原貞子、四國五郎、峠三吉の作品が、大田洋子ゆかりの進徳女子高校生4人、元NHKサナウンサーの杉浦圭子さん、有志の皆さんによって、朗読されました。

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2部は、広島文学資料保全の会代表の土屋時子さんの司会で、4人のパネリストによる国際シンポジウム「原爆文学の今を考える」です。

土屋さんは、なぜ「原爆文学の今を考えるシンポか」を次のように話しました。

「サントリー地域文化賞は、『広島の作家の文学資料を調査・収集し、広島の文学の価値を高め、散逸の危機にあった資料を文化的遺産として守り、その意義を国内外に伝える継続的な取り組み』が評価されて受賞しました。このシンポジウムでは、『広島の文学、とりわけ原爆文学の力を検証して、広く発信し未来へと繋いでいくためにどんな取り組みが必要か』を論議していきます。」

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パネラーは次の4人です。

大田洋子と晩年同居し、大田洋子の評伝『草饐』の著者でノンフィクション作家江刺昭子さんは「今こそ太田文学の拡散を」と訴えられました。

「チンチン電車と女学生」「原爆供養塔」「暁の宇品」などの著者でノンフィクション作家の堀川惠子さんは「空白の10年といわれた時期、言葉の力を信じて闘った文学者がいた。彼らは命をかけて『ヒロシマに向き合った』。今、文学の力を再考しなければならない」と訴えました。

3人目の、岩波新書「原民喜 死と愛と孤独の肖像」の著者で、ノンフィクション作家の梯久美子さんは「ウクライナ、そしてパレスチナと虐殺の悪夢に世界が震撼する今こそ、文学に何が出来るか、原爆文学の意味と価値は何処にあるのかを問い直すべときだ」と指摘。

最後にアメリカのアン・シェリフさん。アン・シェリフさんは、1995年にアメリカで発表され、2010年に日本で翻訳された「グランド・ゼロを書く、日本文学と原爆」を紹介しながら、アメリカで原爆文学がどう考えられているかを紹介しました。

それぞれの発言のあと、相互の意見交換で梯さんが次のように述べられてことが印象的でした。「被爆者がいなくなる時代と言われているが、文学を経由すればヒロシマに近づけるのではないか」

これだけのメンバーが揃うシンポジウムは、貴重な機会でしたが、私の能力では、ここまでしか紹介できません。

広島文学資料保全の会が、近いうちにホームページ広島文学資料保全の会 - 広島文学資料保全の会 (jimdofree.com)にYouTubeで紹介されるようですので、興味のある方はそちらをご覧下さい。

いのちとうとし

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