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2024年6月 1日 (土)

福島原発視察報告その1

今日から数回に分けて、広島県原水禁が527日から29日に実施した「福島原発視察」報告をしたいと思います。今回の広島県原水禁の福島訪問は、2014年、2017年に続く、3回目です。

すでにイライザさんが「ヒロシマの心を世界に」で、3回(#福島原発視察 ――#冒頭の問題提起と初日の感想―― : ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com)#廃炉館 と #福島第一原発 敷地内 #視察 ――#引き続き #午後の講義 そしてその後の #感想―― : ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com)#東日本大震災・原子力災害伝承館 ――#語り部の講話 と #参加者の #感想―― : ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com))にわたって、速報で参加者の当日の感想が掲載されていますので、ぜひそちらも読んでください。

今日は、初日の報告です。

午後2時、集合場所であるJR福島駅前の福島産業振興センター会議室に、22人の参加者全員が集合し、「福島原発視察」がスタートしました。

大瀬敬昭県原水禁事務局長の司会で開会行事が進行しました。

最初に秋葉忠利県原水禁代表委員が「この視察で、福島の現状をしっかりと見つめよう。又原発と同時に核兵器の問題にも目を向けよう」とあいさつ。

続いて、翌日からの現地視察を前に「フクシマの現状と課題」を学ぶため、福島県平和フォーラム共同代表の角田政志さんから「原発事故から13年 福島の現状と課題」と題しての講演を受けました。角田代表には、県原水禁のこれまでの視察でも何度もお世話になってきました。

角田代表は、「原発事故から13年経過した福島の課題」として3つの課題「①福島第一原発の事故処理・廃炉に関する課題②被災者の生活再建の課題③脅かされる健康被害の課題」を提起しました。

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第1の「東電福島原発事故の現状と課題」として、次の7つの課題が現場の状況を示しながら詳細に報告されました。

  • いまだに取り出せない使用済み核燃料
  • 全容も分からないデブリの取り出し
  • 1号機の原子炉土台、全周損傷(崩落の危険性あり)
  • 汚染水に含まれる放射性物質を自然界への放出処分

・東電の「薄めて流せば安全」の欺瞞

・海洋放出を強行した背景と仕組まれた「必要性」の欺瞞

  • ALPS処理で生じた高線量の放射性汚泥(スラリー)の保管場所
  • 原発敷地内に残る配管・瓦礫・「核のゴミ」

・撤去された排気塔や配管などの汚染された残骸物、撤去できない配管など

・敷地内汚染による汚染瓦礫、土壌

・事故収束作業で生じた、防護服、手袋など

  • 行き場のない中間貯蔵施設の汚染土壌の最終処分

・8000ベクレル超の土壌は、減衰を待って県外処分

・8000ベクレル以下の土壌は、全国で再利用による処分

いずれも現場を写した写真を明示しながらのわかりやすい解説で,翌日の廃炉作業中の東電福島第一原発現地視察に参考になる提起でした。

中でも「③1号機の原子炉土台、全周損傷(崩落の危険性あり)」や「⑥原発敷地内に残る配管・瓦礫・『核のゴミ』」は、マスコミなどでもほとんど提起されていない問題ですが、特に「⑤ALPS処理で生じた高線量の放射性汚泥(スラリー)の保管場所」の問題は、当然考慮しなければいけない問題にもかかわらず、私自身初めて聞くテーマであり重い課題だと感じました。

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角田さんも「現地に入ったら、ぜひお話ししたような視点を持ってみて欲しい」と要望されました。

また「⑦汚染土壌の最終処分」問題は、今回中間貯蔵施設の見学が予定されていませんでしたので、貴重な提起になりました。特に、「8000ベクレル以下の土壌処分」問題は、実際には私たちの身近な場所で起こる問題だという提起で有り、「本当のそれでいいのか」考えなければならないテーマです。

第2の「被災者の生活再建の課題」では、「被災地の『箱もの』建設は進み、見た目の復興は進んでいるが『人々の生活は戻っていない』』ことが、現在の居住者数などを示しながら紹介されました。数字の上では、居住者数は一定程度増え帰還率が上がっているように見えるが、「元の住民の帰還者数はその半分ぐらいしかいない」という指摘は、その後現地で何度か聞くことになりましたので、後日紹介したいと思います。

角田さんが特に強調されたのは「将来を担う子どもたちが戻ってこない」という下の表に示された実態です。

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上の表を見ると、特に今なお多くの帰還困難区域を抱える浪江町、双葉町、大熊町、富岡町で深刻な実態が分かりますし、「子どもたちが戻ってこない地域に本当の復興はあるのか」と厳しく問われています。

第3の「脅かされる健康被害の問題」では、国が「時間の経過と共に被害者の支援措置を減じている」ことを指摘し、特に「強制避難地域に居住していた住民の医療費および保険料の免除措置を段階的に廃止する」政策を進めていることに対し、「継続を前提とする再検討」を求める運動や放射能汚染地域に暮らす全ての人々に「健康手帳」の交付を求める運動が起こっていることが紹介されました。

この「健康手帳交付」については、その取り組みを進める医師の振津かつみさんからも問題提起がされました。広島県原水禁は、「健康手帳交付を求める」署名活動をすでに取り組んでします。

2時間ほどの開会行事を終え、宿泊地の富岡町にバスで移動しました。

今日は、ここまでです。

いのちとうとし

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