ベトナムの歴史(その30-6) ― “エージェントオレンジDay”2024 in ヒロシマ ―
エージェントオレンジDay
この夏、ヒロシマは79回目の「原爆の日」を迎え、その4日後の8月10日、ベトナムで初めて枯葉剤がまかれて63年目を迎えます。1961年8月10日、アメリカはケネディ大統領の命令で猛毒ダイオキシンを含む枯葉剤を散布する「枯葉剤作戦(ランチハンド作戦)」を始めました。まかれた場所は、皆さんよくご存知の“ベトちゃんドクちゃん”の生誕地、ベトナム中部高原のコントウム省です。
枯葉剤は1971年に中止されるまでの10年間、ベトナム国土(主に南ベトナム)と人々の頭上に降り注がれ、数百万のベトナム人と参戦したアメリカをはじめ韓国、オーストラリア、ニュージーランドなどの兵士が浴びました。白血病や皮膚癌などで多くの死者を出し、第一級の発癌物質であるダイオキシンは遺伝子の損傷を引き起こすとされ、数多くの先天障害児が今でも生まれています。
ベトナム政府は8月10日を「エージェントオレンジDay(枯葉剤被害者の日・祭日)と制定し、幾世代にわたり深刻な障害をもたらす化学兵器枯葉剤の残虐さと被害者の救済を世界に訴えています。
なぜ枯葉剤のことをエージェントオレンジと呼ぶのか
よく、「なぜ、“エージェントオレンジ”って言うの」という質問をいただきます。
ベトナム戦争でアメリカは約9万1千㎘の枯葉剤を散布したといわれていますが、その種類は数種類あり、それぞれの容器(ドラム缶)に付けられる縞の色で、エージェント・オレンジ、エージェント・ホワイト、エージェント・ブルー、エージェント・パープル、エージェント・ピンク他に分けられていました。
その中で散布量全体の62%を占めていたのがダイオキシン中でも最も毒性が強く、発癌性、催奇形性の高い2.3.7.8T-CDD(テクラトトロジベンゾ-P-ダイオキシン)を持つエージェント・オレンジ剤だったことから、枯葉剤を総称してエージェント・オレンジと呼ばれています。
ランチハンド作戦出撃のためドラム缶から積み込まれる枯葉剤
“エージェントオレンジDay” 2024 in ヒロシマ
私たち広島ベトナム平和友好協会(HVPF)は、「枯葉剤60周年」の2021年にベトナムと世界で取り組まれている“エージェントオレンジDay”に呼応して、このイベントを始めました。それは、20世紀の戦争被害の象徴である核被害を受けたヒロシマと化学兵器被害を受けたベトナムの共通する“ノーモアヒロシマ・ナガサキ”、“ノーモアエージェントオレンジ”、“ノーモアウオー”という固い意志をつなぎ合い、平和で豊かな持続可能な地球社会を築きたいとの思いからです。
2021年、ホーチミンからOnline出演いただいたドクさん
今年、3回目の「“エージェントオレンジDay”2024 in ヒロシマ」を企画しています。
ポイントは次の3つです。第一に、“枯葉剤とは”、“ベトナム戦争と枯葉剤作戦”、“今なお続く被害”など枯葉剤の実態と実相。第二に、グエン・ドクさんのパネルとドキュメント映画を通して“生きる”枯葉剤被害者の姿。第三に、来年の「被爆80周年」を前に、ロシアのウクライナ侵攻でイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃で、既に化学兵器が使用され、核兵器使用の懸念が高まっている中で即時停戦と和平・復興・共生に向けたプローチへの強いヒロシマからのアピールです。
「被爆80周年」の前年、ヒロシマから発する平和メッセージに是非ご参加ください。
明日、具体的なイベント内容を紹介します。
2024年5月19日(あかたつ)
【編集者】アメリカの臨界前核実験に抗議する座り込みは、20日月曜日の午後0時15分から、慰霊碑まで行ないます。その様子は、報告します。
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