ヒロシマとベトナム(その58-2) ~南シナ海をめぐる動向-2の2~
ベトナムの「4つのNO」原則
「古来よりわが領土」と主張する南シナ海をめぐるベトナムと中国の争いは、主なものだけでも1974年のホアンサ諸島戦争(英名:パラセル諸島、中国名:西沙諸島)、1988年のチョンサ諸島(英名:スプラリー諸島、中国名:南沙諸島)ジョンソン島での衝突、2011年の中国監視船によるベトナム国営石油会社の探査船敷設ケーブル切断事件、2014年のトンキン湾」での中国漁船によるベトナム漁船衝突・沈没事件(3人負傷)が挙げられます。2019年にも中国の資源調査船が、ベトナムが管理するスプラトリー諸島のバンガード堆近海で調査活動を行うなど緊張関係が続いています。
筆者作成(原爆資料保存推進協議会「原爆展」用に作成した表)
1,400kmにも及ぶ国境線を持つ中国とベトナム。古くは紀元前から約1000年にわたる中国によるベトナム支配、近年では双方3万人もの戦死者を出した1979年の中越戦争、同じく5,000名を超す犠牲者を出した1984年の国境紛争など対立は南シナ海にとどまりません。
両国関係の帰趨は南シナ海、アジア全体の平和と安定に欠かすことのできない重要課題です。
ベトナムは、2020年に従来の(1)「同盟関係を結ばない」、(2)「外国の基地をベトナムに置かない」、(3)「2国間の紛争に第三国の介入を求めない」という原則に、「他国との関係において武力の使用や威嚇を行わない」を新たに加えた「4つのNO」原則を掲げています。
こうしたベトナムの姿勢が高まる南シナ海の緊張を和らげ、平和的解決へと進むことに期待しています。
次号では南シナ海で緊張を高めているもう一つの側面、中国とフィリピンの関係を見てゆきたいと思います。
(2024年5月6日、あかたつ)
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