中国電力に「島根原発再稼働、上関原発・中間貯蔵施設建設中止を求める」要請書を提出
3月10日に「フクシマを忘れない!さようなら原発ヒロシマ集会」を開催した同実行委員会の代表4名(山田延廣呼びかけ人他3名)が、昨日中国電力本社を訪れ、下記の要請書を手渡し,意見交換を行ないました。中電側の回答・説明は、残念ながら能登半島沖地震後にもかかわらず、従来の「原発は、安定したエネルギー供給に必要なもの」との姿勢を変えるものではありませんでした。。
要望書を手渡す山田延廣呼びかけ人
島根原発再稼働及び上関原発・中間貯蔵施設建設に対する要請
日頃から、電力供給のためご尽力されていますことに敬意を表します。
東京電力福島第1原発事故の発生から13年目を迎え、私たちは3月10日に「フクシマを忘れない!さようなら原発ヒロシマ集会」を開催し、改めて日本から原発をなくし自然エネルギーへの転換を進めて行く必要性を確認してきました。
以下、参加者の総意として、貴社に以下の点を要請するとともにその理由を記しますので、ご回答いただきますよう要請いたします。
【要請内容】
1.実行可能な避難計画すらない島根原発2号機の再稼働を行わないこと。
2.島根原発3号機を運転しないこと。
3.上関原発の建設計画を白紙撤回すること。
4.上関町への中間貯蔵施設建設を断念すること。
【理由】
1.福島原発事故が発生してから13年が経過しますが、同原発での廃炉作業は、行程を再三改定せざるを得ず全くめどが立っていません。事故を起こした原発の廃炉作業がいかに困難なものであるかを明白に示しています。多くの人々がいまだ避難生活を余儀なくされるなど、原発事故が与えた人々への影響は計り知れないものがあります。
福島で起きている現実は、原発がいったん重大事故を起こせば、数十年・数百年と世代を超えて人々に苦難を与え続け、一企業が責任を持って処理できるものではないことを教えており、原発の稼働は、人々の安心・安全を脅かす無責任な行為と言わざるをえません。
2.貴社は島根原発2号機を再稼働しようとしています。しかし、事故が発生した際の避難計画はあまりにずさんという他ありません。北陸電力志賀原発では、変圧器やモニタリングポストの故障、想定を上回る基準地震動、複数断層の連動、一部の電源喪失など改めて原発の脆弱性や原発事故時の避難の困難さを明らかにしました。
松江市にある島根原発周辺には、20万人もの人々が暮らしており、原発事故と地震災害という複合災害が発生すれば、道路の寸断や集落の孤立、多くの家屋の倒壊・被災で、屋内退避も避難も困難な状態となり、現在の避難計画では対処できません。この度の能登半島地震によって明らかとなった事実と真剣に向き合い、この教訓を、島根原発2号機再稼働への強い警告と受け止めるべきです。
3.放射性廃棄物の処理も全く不透明です。使用済み核燃料の最終処分については、方法も場所もめどが立っていません。政府は、「核燃料サイクル」にこだわり続けていますが、高速増殖炉計画は破綻し、六ケ所再処理工場も1997年に完成予定であったものがすでに27回も延期されたままです。すでに発生した高レベル放射性廃棄物の処分方法が未だ確定していない中で、さらに新たな放射性廃棄物を作り出すことは許されません。
4.重大事故に発展する可能性のある原発の稼働には、当然、高い企業倫理が求められます。しかし、カルテル事件で707億円もの課徴金納付命令を受けたり、顧客情報の不正閲覧を行っていたことが明らかになるなど、企業倫理には大きな問題があると言わざるをえません。かつて、原発の点検漏れ等の不祥事に際し、「不正をしない意識・正す姿勢」「不正を隠さない仕組み・企業風土づくり」「不正をさせない業務運営」などと述べられていましたが、全く変わっていないことが示されました。こうした信用を裏切る企業に高い倫理性が求められる原発の稼働を任せることなど到底容認できません。
以上の理由からして、今貴社に求められていることは、原子力発電からの撤退です。原子力規制委員会も認めているように「原発に絶対の安全」はなく、事故を防ぐためには、原子力発電所を稼働させないこと以外にありません。
政府の姿勢に唯々諾々と追随することなく、今こそ原子力発電からの撤退で、失われた信頼を取り戻す第一歩とすべきです。
以 上
集会以降、要請書の提出が1ヶ月以上遅くなったのは、中国電力の対応に問題があったためですので、この要請書とともに「対応の改善を求める」要望書も提出しました。
いのちとうとし
[お願い]
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