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2024年4月27日 (土)

ユーカリの木はいつ日本に来た

先日、2021年11月17日のブログ緑の伝言プロジェクト「被爆樹木めぐり」余話: 新・ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com) に「ある岡山県人」さんから次のようなコメントが入りました。

「すでにご承知のことかもしれませんが、井伏鱒二の「鶏肋集」(昭和11)という自伝のなかに、鱒二の祖父が広島に遊学して故郷の村にユーカリの苗を持ち帰ったという話が出ています。鱒二はそれを80年前のことと書いているので、それが本当なら江戸時代のことです。もしかして広島には江戸時代からユーカリがあったのかも。」

広島城跡の被爆ユーカリの由来について書かれたものではありませんが、「広島には江戸時代からユーカリがあったの?」と、ちょっと興味がわきましたので、調べてみることにしました。

ずいぶん前のブログへのコメントですので、このコメントは公開し,お礼のコメントはメールで返信しました。

「貴重は情報提供です。

私は、井伏鱒二の『鶏肋集』を読んだことがありませんので、なんとも言えないのですが、この広島城のユーカリに関しては、次のような情報もあります。

『オーストラリア原産のユーカリが、日本に入ってきたのは明治時代。葉の形が特異なことなら全国各地で珍重され、記念樹的な存在だったらしい。広島城跡に植栽された理由は定かではないが、旧日本軍の大本営が置かれていたことに何か関係しているのかも知れない。』(雑誌Grande40号「黒焦げからよみがえり,容姿を変えて生き続けるユーカリ」文:舟木正明)

この記事によれば、ユーカリが日本に入ってきたのは明治時代と言うことになりますので、『江戸時代』というのはどうでしょうか。もう少し他の文献を調べてみる必要がありますね。」

24427

このメールに対し、

「貴ブログの本題とは関係ないようなコメントにお返事いただきおそれいります。

少し前に広島へ行って偶然に被爆ユーカリを目にし、最近井伏などのことを調べていて

偶然に『鶏肋集』の記述を見て、その関係で貴ブログにも偶然気づき…というわけです。ご参考までに『鶏肋集』の画像を添付します。」

添付された「鶏肋集」には次のように書かれています。

「会葬の後、はじめて私は親戚の人に教えられたが、祖父は十五歳のとき江戸に出て修業するつもりで出奔したそうである。すぐに追手が差向けられ、岡山の親戚に立ち寄ったところ、捕まった。それで後になって長崎や廣島で、何の勉強をしたのかしらないが何か学問を修業してきた。その記念に廣島から持って帰ったユーカリの樹の苗は、八十年後の今日、一本は窪田さん宅跡に生え一本は仁吉という人の宅跡に生えている。」

「鶏肋集」は、昭和11年(1936年)に初出の本です。井伏が書いている「八十年後」を逆算した80年前は、嘉永3年(1850年)ということになりますので、「ある岡山県人」さんが指摘された「江戸時代にユーカリが広島に育っていた」ということになります。

しかし、平凡社の「世界百科事典」には「ユーカリが日本に輸入されたのは明治10年ごろで、津田仙が植えたものが東京付近に広がった」と記されていますし、昭和30年代(論文にはきちんとした年数が書かれていない)に発表された「明治時代における外国樹種の導入について」(肥後芳尚)では、「明治7年 墺国博覧会からの帰途,仏国マルセーユ港よりユーカリの種子を持来たりて、これを繁殖した」と記されています。(墺国は、オーストリア)いずれも雑誌Grande40号で舟木正明さんが書いておられる「オーストラリア原産のユーカリが、日本に入ってきたのは明治時代」を証明するものばかりで、井伏が言う「江戸時代にユーカリが廣島に育っていた」ことを証明するものを見つけることはできませんでした。

ユーカリは成長の早い木だと言われていますので、井伏は、大きく育ったユーカリの木を見て、ずいぶん前に植えられたと思ったのでしょうか。

いのちとうとし

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