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2024年4月11日 (木)

県原水禁、アメリカ・ティム・ウォルバーグ下院議員充てに発言撤回の要請書を送付

広島県原水禁は昨日、日米のマスコミで報道されたアメリカのティム・ウォルバーグ下院議員の「ガザでの惨状について、広島・長崎を例示して『長崎や広島のようにすべきだ。早く終わらせる。ウクライナも同じようにするべき。』との趣旨の発言』に対し,代表委員3名の連名で、下記の「発言の撤回を求める」書簡をFAXで送付しました。送付に先立ち行なった記者会見やこの書簡の趣旨などについては、ヒロシマの心を世界にを見て下さい。

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2024年410

拝啓  ティム・ウォルバーグ下院議員殿

私たちは、1954年に発足した広島の平和団体です。それ以来70年にわたって広島・長崎の被爆者の声を代弁し、彼らの生命・生活を守る運動、そして核兵器のない平和な世界実現のための運動を続けてきました。

最近、日米のマスコミ報道で、貴殿が325日に、ガザでの惨状について、広島・長崎を例示して「長崎や広島のようにすべきだ。早く終わらせる。ウクライナも同じようにするべき。」との趣旨の発言をされたことを知りました。

また、Xへの投稿では、核兵器を使用すべきだと言ったのではなく、戦争が早く終るほど、戦渦に巻き込まれる罪のない人々の命が救われる、という趣旨だったとの説明もされています。そして、「広島・長崎」はそのためのメタファーとしての意味しか持たないとも付け加えられています。

[イスラエルがハマスをできるだけ早く排除すべきこと、ガザへの人道支援には反対であると貴殿が主張されていることも理解しています。ただし、その点については、この書簡での問題提起とは別件ですので、切り離して論じます。]

私たちは、こうした報道を次のように受け止めました。

貴殿の一連の発言の趣旨は、「広島・長崎の歴史から分るように、ガザやウクライナでの戦闘を早く終結させることにより、罪のない人たちが巻き込まれ、生命を失うことを避けられるので、そうすべきである。」

後半の「ガザやウクライナでの戦闘を早く終結させることにより、罪のない人たちが巻き込まれ、生命を失うことを避けられる。」には賛成します。ただし前半については、もし貴殿が「広島・長崎」を「戦争を早く終結させる」ことのメタファーとして使われたのであれば、次のような事実から注意を喚起したいと考え、この書簡を認めています。

 (1)米戦略爆撃調査団は、1946年の報告書において、原爆の投下がなくても、ソ連の参戦がなくても、米軍の日本上陸作戦がなくても、日本は11月初めには降伏していたであろうことを結論付けている。[*1]

 (2)歴史学者Gregg Herken教授は、仮に米軍の日本侵攻があったとしても、US Joint War Plans Committeeによる米軍の死者数予測は約4万人であると述べている。[*2]

 (3)同じく歴史学者Martin Sherwinは、原爆投下は戦争終結を早めたのではなく、遅らせたことを指摘している。[*3]

 (4)1945年12月末までに、広島・長崎の原爆で亡くなった被爆者の数は約20万人である。[*4]

 (5)「生存者が死者を羨む」という言葉が示す如く、被爆者は、1945年以降長期にわたり放射線被害、その他の直接的原爆被害や精神的な被害を被り、苦しんできた。[*4]

これらの事実から、「広島・長崎」を、戦争の早期終結のメタファーとして、またその結果としての多くの罪のない命の救済のメタファーとして使うことは、誠に不適切であり、撤回を求めます。また、原爆投下の結果起きた、非業の苦しみと人間的悲惨さに対する貴殿の無知と無神経さを残念に思います。

貴殿が、真に罪のない人たちが戦争に巻き込まれることを避けたいと願っているのであれば、一度、広島・長崎を訪れ、被爆者との対話を通して、戦争に巻き込まれた罪のない人たちの心からの願いに耳を傾けられることをお勧めします。

Sources:

[*1]  Shigesawa, Atusko.” The U. S. Strategic Bombing Survey’s Early-Surrender Conclusion and the Debate over the Atomic Bombings of Hiroshima and Nagasaki.” Hiroshima Journal of International Studies, Volume 19, 2023

(https://hiroshima-cu.repo.nii.ac.jp/record/124/files/HJIS19-1.pdf, viewed on April 4,2024)

[*2]  Herken, Gregg. “Five myths about the atomic bomb” The Washington Post, July 31, 2015, (https://www.washingtonpost.com/opinions/five-myths-about-the-atomic-bomb/2015/07/31/32dbc15c-3620-11e5-b673-1df005a0fb28_story.html, viewed on April 4, 2024)

[*3]  Sherwin, Martin. “Interview.” The Chugoku Shimbun, 1995.  Also a personal communication to one of the authors in 1995.

[*4]  Hibakusha. Wikiwand. (https://www.wikiwand.com/en/Hibakusha, viewed on April 4. 2024)

いのちとうとし

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