国立広島原爆死没者追悼平和祈念館企画展「暁部隊 劫火ヘ向エリ」
うっとうしい雨模様の日が続きましたが朝から青空が広がった昨日、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館企画展「暁部隊 劫火ヘ向エリー特攻少年兵たちのヒロシマ」を見るため、平和公園を訪れました。
平和公園は、9割と言っても言い過ぎでないほどどちらを見ても海外からの観光客の姿がありました。
この様子を見ながら、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館に足を運びます。
地下入り口から館内に入ります。入り口すぐのフロアーに船が展示されています。初めて目にする光景です。
特攻艇として開発された一人乗り小型ボート「四式肉薄連絡艇」のレプリカです。今回の企画展の主人公たちが乗り込むことになっていた通称㋹(マルレ)と呼ばれた特攻艇の実寸大のレプリカです。キャプションによれば、NHK松山放送局から提供を受け特別展示されたものです。
この特別展示の横を通って、企画展示室に進みます。
企画展は、毎年テーマを変えて約30分の映像作品が上映さ,関連する資料が展示されます。今回の企画展「暁部隊 劫火ヘ向エリー特攻少年兵たちのヒロシマ」は、3月1日からスタートしました。
陸軍の「特別幹部候補生(特幹)」に全国から志願した満15才以上20才未満の軍国少年たちの、その一つの派遣先となったのが宇品にあった船舶司令部(通称「暁部隊」)の船舶練習部でした。特別幹部候補生と言っても、その実態は、全体がベニヤでつくられた小型モータボートに爆雷を積んで敵艦船に突っ込む「水上特攻兵」だったのです。特攻のための訓練を受けていた場所が、江田島の最北端に位置する幸ノ浦基地でした。
昭和20年(1945年)8月6日、いつものように訓練を受けていた彼らは、爆心地から4.8キロ離れた場所で、原爆の炸裂を体験することになります。
無傷だった10代の特攻兵たちは、原爆投下直後の広島にいち早く入り、被爆者たちの救援活動、道路上のガレキの撤去、遺体の処理に従事します。
特攻と向き合っていた少年兵たちが、市の街広島で何を見て、何を感じたのか。
いまも生存されている少年兵たちの生々しい証言によってビデオは構成されています。
当時幸ノ浦には、約二千人が駐留していたと言われ、大半が15,16才の少年兵だったと言われています。被爆後79年を迎えるいま、その人たちは90歳代の半ばになっていますが、その証言は実にはっきりとしているのにびっくりします。それほどに、広島での体験はすさまじかったのだと言うことを知ることができます。
ただ残念なことは、この少年たちが目の当たりにした被爆直後の地獄の様子は証言されていますが、少年兵たちの放射能後障害については、このビデオでは触れられていないことです。
この企画展は、1年間の企画ですので、来年の2月28日まで開催されていますので、平和公園を訪れたとき、ぜひ足を運んで欲しいと思います。
これを機会に、豊田正義著「原爆と戦った特攻兵 8・6広島、陸軍秘密部隊㋹の救援作戦」をもう一度読み直したいと思います。
いのちとうとし
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