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2024年3月20日 (水)

ベトナムの歴史(その30-4) ― 日本の中の枯葉剤・Ⅱ ―

撤去を求める庄原市

前号で紹介しましたが、1971年に林野庁は猛毒ダイオキシンを含んだ枯葉剤(2,45-T)を全国15道府県の国有林46カ所に埋設処分しました。広島県内では庄原市が該当し、総領町に「一カ所の埋設量は300kg以内」と指示された「通達」に反する374kgが埋められたとされています。

2年前の庄原市議会では、「(埋設場所は)2つの谷が登った山頂付近にあり、記録的な豪雨や地震などで流れ出る危険もあり撤去すべきだ」、「ロープ2本と針金が張られているが、杭は腐りグラつき囲いの役割を果たしていない」、「直ちに撤去できないならフェンス設置など(国に)要望すべき」など、枯葉剤(2,45-T)流出による人体や環境への影響、ずさんな管理を指摘し撤去を求める質疑が出され、市当局もこうした状況を踏まえ「適切な管理と、最終的な解決となる撤去を求めてゆく」と答弁しています。

能登半島地震に続き、全国的に頻発する地震や毎年のように発生する「数十年に一度の豪雨」を考えると、待ったなしの対策が求められると思います。

埋設地のモデル調査

2021年に国(林野庁)は枯葉剤(2,45-T)を掘削処理することを前提に、「周囲に飛散させずに掘削処理」する方法についての調査を岐阜県下呂市落合国有林、高知県四万十町焼木水谷国有林、佐賀県吉野ヶ里町熊九瀬谷国有林、熊本県宇土市尾坂国有林をモデル地区として実施しました。

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(四万十四万十町焼木水谷国有林の埋設現場)

翌2022年には「除草剤等を地上のコンクリート槽内で保管しており、掘削対象範囲の確定が必要ない」という四万十町を除く3地区で詳細調査が行われ、2023年3月にその報告書が出されています。それによると埋設場所および掘削範囲の特定、農薬成分(2,45-T)を確認ができた佐賀県吉野ヶ里町と熊本県宇土市に埋められている枯葉剤は「高温によりダイオキシン類を分解・無害化する高温焼却」することになりました。

下呂市では「付近に埋設したことを示す看板は設置され」ていたが、場所を特定できず、「追加調査を実施して農薬の埋設箇所を特定し、掘削除去へ向けて対応を検討することが望ましい」と報告されています。

 動き始めた枯葉剤(245-T)の掘削処理

2023年4月14日、「毒性の強いダイオキシンを含んだ除草剤が吉野ヶ里町の国有林に埋められている問題で、林野庁は、安全に処理する方法が確認されたとして、早ければ今年度中に撤去作業を開始する方針を明らかにしました。」と佐賀新聞が報じました。しかし、9月27日には「ダイオキシン含有、吉野ヶ里の山中に埋設 除草剤処理、入札不落」と報道され、撤去作業は2024年度に持ち越しになっています。

「宇土市では、埋設されているこの除草剤2,000キログラムあまりを撤去する業者を決める入札がことし9月に行われましたが、不調となり、延期になっていました。こうしたなか、九州森林管理局によりますと、27日、再度の入札が行われて業者が決まり、今年度中にも撤去作業が始まる見通しとなったということです。」(2023年12月28日『NHK NEWS WEB』)

人里離れた山中とはいえ猛毒ダイオキシンを含む枯葉剤が埋められてから半世紀、ようやく撤去に向けた動きが始まりましたが僅か2カ所です。掘削撤去に向けた準備のための調査は岐阜県下呂市を含む43カ所(93.5%)が今からです。

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(熊本県芦北町:枯葉剤埋設地から約1km地点の豪雨災害による崩落現場)

「通達」通りに埋設されていたとしても鉄筋コンクリートの耐用年数47年を迎えています。しかも、防護コンクリートは「薬剤(2,45-T)の10倍程度の土壌とコンクリートと水を混和して埋設」されており、純粋なコンクリートではありませんので劣化は早く、調査の過程で新たな困難や思わぬ事態が生じる可能性も否定できません。頻発する豪雨災害や地震がいつ埋設地を襲うかも分かりません。

いずれにしても、小出し調査による遅々とした撤去ではなく、火急速やかなる対応とその情報を強く求めます。

誰も責任を取らない政治

ベトナム戦争で日本は米軍の後方支援基地としてだけでなく出撃基地として加担し、日本で製造した枯葉剤がベトナムでまかれ、ベトナム戦争終結とともに明らかになった枯葉剤被害を隠すかのように国有林に埋めました。しかも、危険極まりない毒物を埋設するために作成した稚拙な規制(通達)すら守らないずさんなものです。その埋設場所が特定できる正確な記録もなく、撤去処理のためのモデル調査では下呂市の埋設場所は特定できませんでした。・・・・この責任は一体誰にあるのでしょうか。

50年の時を経て問われている「日本の中の枯葉剤」は、“誰も責任を取らない政治を正さなければ、同じ過ちを繰り返してしまう”と警鐘を鳴らしています。

2024年3月20日(あかたつ)

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