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2024年2月25日 (日)

能登地震の教訓は島根原発の「再稼働」を止めること

島根原発の南側、約2kmのところを東西に走る宍道(しんじ)断層という活断層があります。この活断層、島根原発が建設された当初、中国電力は「無い」というのが言い分でした。

 それが1998年に8kmとなり、2004年に10km、2008年には22km、そして地震調査委員会は39kmと評価し、この値に基づいて原子力規制委員会は島根原発2号機の再稼働を許可しました。

活断層の長さが変更されれば、それに対応する基準地震動を算定して原発の安全対策を講じなければなりません。安全対策を実施すれば、当然ですが費用も増えてきます。

 中電の島根原子力本部 広報部が発行している2017年秋号の「あなたとともに」という情報紙の「QAコーナー」には、次のように書いています。

Q、何度も評価長さを見直すのはなぜですか?

A、原子力発電所の安全性を向上させるためには、その時々の最新の知見に基づき、慎重に評価する必要があると考えています。評価結果については、過去の見直しの際にも、その都度国による確認を受けており、今後も、審査会合等で説明してまいります。

Q、評価長さを見直すことで発電所にはどのような影響があるのですか?

A、評価長さを延長すると、基準地震動は引き上げの方向で見直すことになります。しかしながら、今回は発電所から比較的遠い箇所を延長するものであり、引き上げの程度は小幅になるものと考えていますが、詳細は今後検討してまいります。

Q、宍道断層が近隣の断層と連動することはありませんか?

A、宍道断層に近い活断層として、鳥取沖の断層があります。宍道断層の東端から鳥取沖西部断層の西端までの区間の音波探査の結果、上載地層法により後期更新世以降の断層活動が認められない(活断層がない)ことを確認していること等から、連動することはないものと考えており、今後審査会合で説明してまいります。

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最終調査前の周辺の断層

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調査後の宍道断層の長さ

 しかし宍道断層の東端から、鳥取県西部断層の西端の間は6kmで非常に近いのです。

この地方は、以前から大地震が多く起こっている地域です。1943年には、マグニチュード(Ⅿ)7・2の直下型地震が起こり、死者・行方不明者1210人、全壊家屋1万3295棟という甚大な被害が発生したと、鳥取県震災小誌に記されています。

2000年10月6日に発生した鳥取県西部地震では、米子市などで大きな被害が起こり、また2016年10月21日には鳥取県中部地震が起こり、震度6を記録しました。「連動することはない」と言い切ってよいのでしょうか。

 鳥取県地震防災調査研究委員会(委員長・香川敬生鳥取大大学院教授)は2月3日、鳥取県庁で研究会を開き、宍道断層の長さが22kmから39kmになったことによる被害予測を公表しました。そうなった場合、米子市と境港市で最大5千棟が全壊・焼失するとの予測を示しています。22kmだったら約1千4百棟ですから、3倍以上の危険性が増えるとされています。被害額も22kmの時に比べ、5761億円増えて7738億円に拡大するとしています。

 この度の能登地域の地震では、16時6分には前震とみられる最大震度5強が起こり、その4分後の16時10分に最大震度7の本震が、そして16時18分には同じく震度5強の余震も起こっているのです。

多数の余震は長さ150km、幅30kmほどの範囲で起きているのです。本震の時の最大加速度は2828ガルを記録しています。それも地震の震央の近くではなく、震央から約60km南西に遠く離れた志賀町の地震計が記録したのです。

 この事実を、中電はもっと謙虚に受け止めることだと思います。島根原発で想定されている基準地震動の最大加速度は820ガルです。

 今号のブログは数字が多く、分かりにくい部分もあったかと思いますが、能登地震の教訓は、今年8月に計画している島根原発2号機の再稼働は思い留まることです。「再稼働」を許可した原子力規制委員会は、中国電力に対し「再稼働は中止するよう」に云いわたすことだと思うのですが。

木原省治

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