ヒロシマとベトナム(その55) ~日越外交関係樹立50周年記念訪問―その4~
昨年11月にスタートした「ベトナム訪問記」、ホイアン編に入る前に嬉しい報告です。昨年秋の訪問時、クアンチ省知事から功労賞をいただいたことは既に報告しましたが、この度、一般社団法人 広島ベトナム平和友好協会(HVPF)が、ベトナム国のブイ・タン・ソン外務大臣表彰を受けました。1月21日、六本木ヒルズ・ハリウッドプラザで、宮城県日越交流協会、栃木県ベトナム友好協会などとともにファム・クアン・ヒエウ大使から表彰状を授与していただきました。この間の草の根交流を支えてくださった多くの皆さまのお陰です。
ありがとうございました。
古の交流が偲ばれる遠来橋(日本橋)
さて、話をホアイアンに戻します。11月4日の午後、フエとダナンの間に立ちはだかるハイバン峠を貫く東南アジア最長のトンネル(6,280m)を難なく越え、夕刻、ダナン市に入りました。このハイバン・トンネルは日本のODAで2005年に開通したものです。車窓から著しい発展を遂げるダナン市を眺めながら、ひたすらホイアンに向かい、チェックインしたホテルは五つ星ホテル「LOYAL RIVER SIDE」。料金の方は旅行社のオーダーミスで格安、皆、“ラッキー”と大喜びでした。
ホイアンといえば16末~17世紀中頃まで朱印船が通い、日本人町や遠来橋(別名「日本橋」)が作られた歴史の町で、1999年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。遠来橋は1593年に日本人町と中国人町を結ぶ橋として日本人が架けた瓦屋根付きの珍しい橋です。ベトナム紙幣(2万ドン)の裏面にデザインされ、日常的に親しまれています。
1719年に広南国王が「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」という論語から遠来橋と名付けたと伝えられ、ホイアンの人気スポットです。残念ながら8回目の修復工事中で橋全体が覆われ、今回はその姿は見ることはできませんでした。
左は2014年訪問時、右は今回
つながった『古着屋惣兵衛』、『新・古着屋惣兵衛』シリーズ
話は長くなりましたが、幕府開闢から200年あまり、欧米列強が植民地支配の触手を伸ばしてくるとともに、幕藩体制が緩み、軋み出す時代を背景にした時代スペクタル。是非、手にしてみてください。
絶景!ランタンに浮かぶホイアン
もう一つホイアンで有名なのがランタンです。かつて貿易港として栄えたホイアンはファイファという大きな貿易港があり、16~17世紀にかけて日本との交易が盛んでした。日本の鎖国政策以降は、中国との関係が強くなり、様々な交易品が持ち込まれます。その中に含まれていたランタンからホイアンの職人によって独自のデザインが生まれ、ホイアン名物になったと伝えられています。
世界遺産のまちホイアンは毎月旧暦の14日の夜、ランタン祭りで賑わいます。もともと故人を追悼する行事だそうで、日本のお盆に似ています。私たちが訪れた時はランタン祭りではありませんでしたが、まちを彩るランタンはとても幻想的で誰もが魅了されます。
今につながる日本とベトナムの絆
ホイアンには、日本との縁を伝える遠来橋を含む貴重な歴史的な建造物も多く残されています。かつて日本や中国との海洋貿易港だったという面影を残しているのが「フーフンの家」です。コショウや絹製品、ガラス細工や青磁器などで繁栄を築いた豪商のフーフン(馮興)が200年前に建てたものです。土壁はベトナム式、柱や扉は中華式、屋根は日本式という日越中3カ国の建築様式が融合し独特の雰囲気を漂わせています。
フーフンの家にはお土産屋を兼ねたアートがあり、ガイドもしてくれます。上の写真はホイアン名物のランタンをモチーフに織られたベトナム刺繍です。作っていたのは枯葉剤被害者でした。その美しさに惹かれて買い求め、わが家の居間を飾っています。
今号でダナンまで進む予定でしたが、少し長くなりましたので次号で報告します。
(2024年2月5日、あかたつ)
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