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2024年2月20日 (火)

ベトナムの歴史(その30-3) ― 日本の中の枯葉剤・Ⅰ ―

日本でもベトナムと同じ成分の枯葉剤が使われた

「枯葉剤」と聞けばベトナム戦争を連想し、すぐに“ベトちゃんドクちゃん”が浮かぶ世代は残念ながら少なくなっています。日本のベトナム戦争との関わりや枯葉剤についてもそうです。しかし最近、日本でも再び話題になることが多くなってきました。そこで、「日本の中の枯葉剤」をテーマに幾度か書いてみます。

日本で枯葉剤が認識されたのは、1964年9月に猛毒ダイオキシンを含む2,45-トリクロロフェノキシ酢酸(以下「245-T」)を有効成分とした枯葉剤が農薬として登録されてからです。

1968年、全国各地の国有林で杉やヒノキの植林を進めていた林野庁が、その生育を妨げる雑草を駆除するため「245-T」を始めました。ところが、ベトナム戦争で使われている同じ成分を持つ枯葉剤が原因と考えられる奇形出産が、ベトナムやアメリカ国内で問題になり始めます。そうした中で、林野庁の職員などの反対運動が起こり、林野庁は19714月に使用中止を決定します。

日本政府が農薬登録を失効させたのは、さらにその4年後の19754月でした。その間10年あまり日本国内で使用された枯葉剤(2,45-T)がもたらした被害の実態は明らかにされていません。

林野庁が全国4自治体の国有林に枯れ葉剤を埋設

ところが近年、NHKや民放・新聞各社がかつて国有林に埋設処分された枯葉剤を取り上げ、次第に日本で今でも続く枯葉剤問題が知られるようになりました。

大量に残った大量の猛毒「245-T」を成分とする枯葉剤の処分に関する「通知」が197111月、林野庁長官から各営林署長に出されています。林野庁の資料によると、「 ダイオキシン類についての有効な無害化処理技術が無かった当時、まだ農薬登録されている薬剤が人手に渡らないようにするための処分方法として、当時の『毒物及び劇物取締法』に定める処分方法に基づいて」、全国46カ所で26㌧ン枯れ葉剤が埋設されました。

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下の地図は枯れ葉剤(2,45-T)が埋設されている自治体です。広島県では庄原市が該当します。

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出典:左NHK特番、2022年1月20日,右読売新聞、202255

「通達」に反する埋設29カ所

ところが、埋設方法、埋設場所とも「通知」通りに実施されていない事実が判明し、全国各地で被害が懸念広がり始めています。埋設場所が11カ所、埋設方法が7カ所、300kg以内の制限を超えたものが11カ所、計29カ所も「通達」に反し埋設された事実が明らかになりました。中には1㌧を超すものもありました。

2年前の20221月にNHKWEB特集が「“猛毒”地中に~枯れ葉剤の原料 漏れ出す懸念も 負の遺産」という特集番組を組み、同じ年の5月には読売新聞が「ダイオキシン含む除草剤、全国の山林46か所に埋設のまま水源近くの例も」という特集記事を報道しました。

NHK特番では営林署の元職員の「営林署の上層部からは『245-T』が害があるとは知らされていなかったが、ベトナムでこの物質が原因とされる障害のある子どもが生まれたため、こんな危険なものは絶対に散布してはいけないと、強く反対しました」、「埋める場所の下流に住む人たちに害を与える可能性もゼロではないと思ったので、本当は埋設しない方がいいという思いはありました。ただ技術的にほかに方法がなく、やむなく後世に残す形になってしまったのです」と証言しています。

また、「熊本県芦北町の職員は「大雨によって土砂崩れなどが頻発すれば、埋設地も大きな影響を受けるのではないか」との不安を訴えています。

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出典:読売新聞2022年5月5日

読売新聞では、「もう50年も前か、15道県42市町村の山中46カ所に有毒な除草剤が、26トンも埋められているんです。この除草剤はベトナム戦争の際にまかれた枯れ葉剤と同じ成分で、猛毒のダイオキシンが含まれているんです。これまでの調査で、すでに基準の17倍のダイオキシンが地中に漏れ出ている場所もあることがわかっています」(原田和明:北九州市立大学職員)

近年多発する豪雨や地震などで流出する危険性についても、「ダイオキシンは何百年たっても分解されません。将来、そこに除草剤があると知らずに掘り起こしてしまい、埋まっていたダイオキシンが流出する可能性はあるでしょう。ダイオキシンを無害化する処理方法は確立しているのですから、できるだけ早く行うべきなのです」(中地重晴:熊本学園大学教授、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事)と警鐘を鳴らしています。

「日本の地中に埋まる『負の遺産』を今後どうしていくのか。半世紀前には想定されていなかった災害の実態を踏まえた早急な対策が求められています。」(NHK特番、2022年1月20日)

「昨年の熱海のように山ごと流されるような激甚災害が埋設場所付近で発生しないとも限らない。一日も早い撤去が望まれる。」(『読売新聞』、2022年5月5日)と、いずれも早急な対応を求めています。

報道に接していない人も多く、政府や埋設されている自治体からの情報が無いに等しい中で、当該地域の人たちでさえ、枯葉剤が埋設されていることやその危険性への認識は極めて乏しいと思います。

次号では県内で唯一枯れ葉剤((2,45-T)が埋設されている庄原市を含む全国の状況を報告します。

赤木達男

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