核兵器禁止条約発効3周年キャンドルメッセージ
核兵器禁止条約が発効して3周年となる22日午後6時、原爆ドーム前に1500個のキャンドルによってつくられた「FREE PALESTINE! NO NUKES NO WAR! 」のメッセージが浮かび上がりました。
このキャンドルメッセージは、HANWAの呼びかけに応えた市民や被爆者約70人が参加し、午後4時半から準備を開始し、6時前に完成し参加者の手によって点火されました。
今年は、核兵器禁止条約の発効3周年を記念し核兵器廃絶への決意を示すと共に、間もなく2年となるロシアによるウクライナ侵略、そして昨年10月7日のイスラエルによるパレスチナ自治区・ガザへのジェノサイド攻撃による2万5000人の犠牲者、とりわけ毎日子どもや女性が最大の犠牲者となっている戦争の終結を訴えるメッセージがつくられました。
キャンドルが点灯された午後6時、参加者全員でロシアによるウクライナ侵略、イスラエルによるガザ侵攻、そして能登半島沖地震で犠牲となった人々に対する黙祷が行われ、その後森滝春子さんが行動の趣旨を説明し、続いて田浪亜央江さんが、「イスラエルによるパレスチナへのジェノサイド攻撃は、核兵器使用の危機とつながるもの」と今回のキャンドルメッセージの意義を訴えました。
最後に足立修一代表が下記の声明文を読み上げて、全員で「FREE PALESTINE! NO NUKES NO WAR! 」をコールし、午後6時45分にキャンドルメッセージは終了しました。
核兵器禁止条約発効3年にあたっての声明
本日(2024年1月22日)は、核兵器禁止条約(TPNW)が発効して3年となる。現在、93か国が署名し、70か国が批准している。
2022年2月、ロシアがウクライナに侵略し、その後、戦火の続く中、2023年10月、パレスチナ自治区ガザ地区でも武力紛争が発生している。イスラエルの攻撃が今も継続しており、パレスチナ人の死者は24000人を超え、うち子どもの死者は10000人を超えると報じられている。病院や避難所まで爆撃を受ける状況であり、まさに、ジェノサイド(集団虐殺)を遂行している状況になっている。国際司法裁判所では、南アフリカがイスラエルに対し、ジェノサイドであるとして、軍事行動の即時停止を求める裁判が進行している。先日開かれた弁論では、現在の状況が1948年以降のイスラエルのパレスチナに対する戦争、侵略、占領の延長の結果としてあることを南アフリカが明らかに示した。戦争を止めさせ、パレスチナの人々の平穏な生活を取り戻さなければならない。
ロシアもイスラエルも核兵器の保有国であり、核兵器の存在によって、戦争は抑制されるという「核抑止」が破綻していることを示している。2023年11月に開催された核兵器禁止条約の締約国会議の政治宣言でも、核抑止については、核兵器が「強制、脅し、緊張の激化につながる政策の道具」として使われており、核抑止によってこれを正当化しようとする試みは、核兵器に誤った評価を与えるもので、これにより核兵器の水平的・垂直的拡散のリスクを高めていると指摘されている。
核兵器の保有国が戦争を発動し核兵器の使用を検討している状況は、これまでになく、核兵器の使用のリスクが高まっているのであり、世界は一刻も早く核兵器を禁止し廃絶する以外に、人類が安心して生き延びる道はない。
私たちは、核兵器保有国が安全保障を理由に核兵器の廃絶を先延ばしすることに抗し、日本政府に核兵器禁止条約へ速やかに署名・批准することを求めるとともに、核の廃絶を求める世界中の核被害者とつながり、核なき世界をめざしていきたい。
いのちとうとし
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