日朝友好広島県民の会2023年度総会
日朝友好広島県民の会は、12月13日午後6時から広島留学生会館で2023年度総会を開催しました。
佐藤奈保子事務局次長の司会で始まった総会は、最初に代表委員の足立修一弁護士が、開会あいさつ。足立代表委員は、「今年も日朝関係は依然として厳しい状況が続いている。それは、強制連行など被害者の問題を置き去りにして、日米韓の軍事的関係を優先していることによる。そのことによって、『軍事的緊張が高まっている』という報道が続いている。私たちは、地道な取り組みを続けてきた。『幼保無償化』では、広島市の支援が決定し、前進した。ただ、高校無償化問題は、今後どうするか考えなければならない。そのとっかかりとして、来年秋に高校無償化問題に関わった全国の弁護団が、広島で朝鮮問題を取り組むためのフォーラムを開催することにしている。そうしたことを通じて、朝鮮高校への差別を止めさせ、日朝友好運動を進めていきたい」と述べました。
続いて大瀬敬昭事務局長が、2022年の活動報告、決算報告、2023年度の活動方針、予算案などを提案し、全体の拍手で確認しました。
提案された活動方針の内、「取り組みの柱」は以下のとおりです。
取り組みの柱 ①日朝国交正常化の実現をめざし、朝鮮民主主義人民共和国に対する全ての制裁措置を直ちに解除し、対話再開のための道を開くよう、全国の運動に結集し日本政府に対する働きかけを強化します。 ②朝鮮学園への「高校無償化」の適用、補助金の再開、物価高騰対策補助金適用対象を勝ち取るため、支援行動への参加、情宣活動・署名運動等を通じて、政府・文科省、広島県・広島市に対する取り組みを強化します。 ③広島朝鮮初中高級学校における民族教育諸活動を財政面から支援できるよう、「民族教育連帯基金」(別称「広島朝鮮学園支援県民基金」)の協力呼びかけ、チャリティーコンサートなどのカンパ行動に引き続き取り組みます。 ④在日朝鮮人に対するあらゆる差別・偏見を許さず、在日朝鮮人の民主的民族諸権利を擁護するための取り組みを継続・強化します。 |
ここで総会は終了し、その後、11月6日に行われた「金剛山歌劇団チャリティコンサート」で集まった支援金1,247,000円の目録が、高橋克浩代表委員から朝鮮学園の朴志晙(パク・チジュン)校長に贈呈されました。
今年の総会の記念講演は、幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会の宋恵淑さんによる「朝鮮学校の子どもたちもまんなかに!-無償化実現に向けた闘いの成果と今後の課題」でした。
宋さんは、「幼保無償化は、制度設計の段階から朝鮮幼稚園が除外されていたが、法律制定時に付けられた付帯決議をテコにしながら、様々な運動を行い、日本の国庫から初めて朝鮮学園にも支給されるようになった」闘いの歴史を紹介。つづいて「日本政府は、国連人権委員会などから、在日朝鮮人、朝鮮学園への差別に対し、繰り返し是正勧告が出されているにもかかわらず、無視し続けている」経緯を紹介。さらに昨年成立し、今年4月から施行されている「こども基本法」を紹介する「こども家庭庁」のパンフレットなどで使われている「こどもまんなか」の意味を紹介し、全ての子どもが差別されるべきでないことを強調されました。最後に「まとめ」として次のことが提起されました。
「・高校無償化をもとめる決して屈しない・諦めない・負けを知らない闘いが、民族教育の権利保障の歴史に国庫補助実現という貴重な前進をもたらした。
・日本が締約国となっている国際人権諸条約の観点からも、朝鮮学校差別はすぐに是正されるべき。
・新たに施行された国の包括的なこどもの権利に関わる法を強力なツールとし、朝鮮学校に差別的な国の学校教育関連施策を再検討させるべき。
・地域における朝鮮学校のこどもたちへのあたたかい支援、応援、つながりが、日本社会の差別と偏見を打ち砕き、朝鮮学校の子どもたちを勇気づけるカギとなる。」
宋さんの話しは、今後の私たちの運動への示唆となるものでした。
朝鮮大学生を中心にして続いている文科省前の金曜日行動は、15日で500回目を迎えたそうです。「継続は力」を強く感じます。
いのちとうとし
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