23年⇒24年、諦めから希望へ
12月22日、中国電力は上関町の中間貯蔵施設建設調査に向けての森林伐採の届けを、上関町に再提出しました。
中電にとっては急ぐことのない中間貯蔵施設です。関西電力としても福井県にある原発の再稼働を、福井県知事が使用済み核燃料を県外に運び出さなくても実質的に認めたために、上関町での森林伐採も先送りになると楽観視していました。
上関町の周辺市町をはじめ村岡嗣政山口県知事も、中間貯蔵施設に慎重な姿勢になっていたことも、その理由になっていたのです。
中電が上関の周辺市町にどのような「理解活動」をしたのかは、その内容を知ることは難しい部分もありましたが、山口県議会は11月議会最終日の12月15日、市民団体から提出されていた「中間貯蔵施設の問題について自治体などへ丁寧な説明行うことを求める」請願を否決し不採択としました。
この疑問は、伐採届けを提出した翌日の新聞で明らかになりました。経済産業省資源エネルギー庁は、来年度の予算案で山口県と上関町への電源立地対策交付金として、約6億円を盛り込んだと報じました。これまでの交付金上限額、1億4千万円を加えると7億円を超えることになります。
周辺市町も金だったのか、これで周辺市町が「落ちた」と想像しました。電源立地対策交付金は、使い道も金額も決められているのに、好き勝手の使用は許されないことです。
12月20日、中国電力本店前で今年最後の昼休み街頭宣伝を行いました。島根原発の問題点や上関原発のこと、上関町内での中間貯蔵施設のことなどを、寒風が吹く中、10人ぐらいが署名集めをする中でマイクを持ちました。8月には島根原発2号機の再稼働の動きもあります。
行き交う通行人の反応はそれなりなのですが、中電本店ビルから出てくる人たちの表情は暗い。意気揚々と仕事をしているという感じは受け取れないのです。私たちに対し、抗議の意見を言う人もいません。その顔は、まさに能面仮面という感じでした。
繁華街で街頭宣伝をしていると、たまに「原発は要るわいのう」という意見を言う人がいますが、当事者の中電の人からこういう声は掛けられたことはありません。僕はこういうように話されるのは嫌いではないのですが。
23年は、先輩や「師」としてたくさんのことを教えてもらった人たちとの別れがありました。一方で新たな出会いもありました。
なんといっても嬉しい新たな出会いの場は、広島平和公園を訪れた修学旅行生や労働組合の人たちに碑めぐりガイドをする中にあります。北海道から九州まで人たちとの、「一期一会」の機会は、本当に楽しいものです。
ロシアとウクライナの戦争も中東でのホロコースト(大虐殺)も、解決の兆しが見えてきません。政治のこの現実を解決するための方法が、片方の国への武器提供という知恵も工夫もないやり方には、強い怒りと虚しさとやり場のない悲しみを感じてしまうのです。
中電のカルテル事件で起こした株主代表訴訟の初公判が、2月5日広島地裁で開かれます。最初に意見陳述をすることになっているので、裁判官にも支援に来てくれる方にも、いかに分かりやすく話せば響くだろうかということを考えています。
2025年は原爆投下から80年、改めて「ヒロシマ」に住む者としての使命と責任を感じるとともに、どうにかして「希望」への道に転じたいと思っているのです。
私が担当している今年最後のブログとなりました。1年間、読んでいただきありがとうございました。
木原省治
[お願い]
この文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。
« 松井市長の「教育勅語」引用に対し抗議と要請 | トップページ | 広島市長の認識を問う »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 2024年9月のブルーベリー農園1(2024.09.08)
- 加藤友三郎像(2024.09.07)
- 9月の「3の日行動」(2024.09.06)
- ヒロシマとベトナム(その61) ~南シナ海をめぐる動向-5~ (2024.09.05)
- 中国新聞の二つの記事―その2(2024.09.04)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 9月の「3の日行動」(2024.09.06)
- ヒロシマとベトナム(その61) ~南シナ海をめぐる動向-5~ (2024.09.05)
- 久しぶりの参加です。「VIGIL FOR GAZA(ビジルフォーガザ)」(2024.09.02)
- 「第7次エネルギー基本計画」の議論、その後(2024.08.25)
- ヒロシマとベトナム(その60) ~南シナ海をめぐる動向-4~ (2024.08.20)
「核兵器廃絶」カテゴリの記事
- 中国新聞の二つの記事―その1(2024.09.03)
- 国際シンポジウム「原爆文学の今を考える」(2024.08.16)
- 被爆79周年原水爆禁止世界大会広島大会主催者あいさつーつづき(2024.08.14)
- 被爆79周年原水爆禁止世界大会広島大会主催者あいさつ(2024.08.13)
- 被爆79周年原水爆禁止世界大会(2024.08.11)
一年間お疲れ様でした。来年も読みやすくわかりやすいブログを期待しております。未来はいつも希望であって欲しいと願ってます。
投稿: 横浜リカ | 2023年12月26日 (火) 07時12分
横浜さん、コメントありがとうございました。24年は少しでも良い年になればと思うばかりです。できる限り、分かりやすい文章のブログにしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
投稿: 木原省治 | 2023年12月26日 (火) 21時07分