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2023年11月16日 (木)

 第60回護憲大会報告

 「憲法理念の実現をめざす第60回大会」(護憲大会)が、11月11日~13日、全国から約1400が参加し新潟市内で開かれました。

 大会初日、新潟県民会館で開かれた開会総会では、実行委員長の藤本泰成(平和フォーラム共同代表)さんがあいさつ。

 藤本さんはまず、第1次世界大戦後の1928年、戦争の反省から「戦争の放棄に関する国際条約」(パリ不戦条約)が締結され、日本も含めた68か国が批准してきたことを紹介するとともに、条約成立のわずか3年後、満州事変という形で日本が最初に条約を破ってきた事実が述べられました。

そして、その後の敗戦により、「日本は、その敗北をかみしめながら、侵略戦争と植民地支配の反省に立ち、戦時社会体制である国家主義の克服を目指し、1928年の不戦条約を憲法9条に移し替え、戦争の放棄を抱えた平和憲法を掲げた」と、日本国憲法の成り立ちと意義について紹介されました。

その上で、「かつての歴史に向き合うことなく、安倍政権は安全保障法制を改悪し、岸田政権は安保3文書を改悪してきた。矢継ぎ早に戦争をする国づくりを進めてきた」とこの間の安全保障政策の転換と軍事増強へとひた走る日本政府の姿勢に触れ「かつて不戦条約を破った日本は、またしても、戦後のアジア諸国への約束である憲法9条を破ろうとしている」と非難。「歴史を冷静に見つめることのできない政治は、先の時代を見通すこともできない」「侵略戦争をあたかも、自存自衛の戦争であったかのように言い換える。捏造する歴史の中にどのような未来が生まれてくるというのでしょうか」と参加者に問いかけ、「今こそ冷静に歴史と向き合い、何をなすべきかを考えていかなくてはならない。それが、将来を決定づける」と提起しました。

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 開会総会に続いて行われたのは、メイン企画のシンポジウム。改憲勢力が執拗に憲法審査会の開催を主張する中、どのような議論がなされ、どのような状況になっているのかを知ろうと、「憲法審査会の現実と今後の私たちのとりくみ」をテーマに、名古屋学院大学教授の飯島滋明さんがコーディネーターとなり、新垣邦男さん(衆議院憲法審査会委員)、打越さく良さん(参議院憲法審査会委員)、杉尾秀哉さん(前・参議院憲法審査会幹事)、吉田晴美さん(衆議院憲法審査会委員)の衆参4人の国会議員をパネリストとして行われました。

 その中では、憲法審査会が「実績を作って草案を作りたいだけ」(杉尾)の場になっていることや、内容の問題として、国民投票の際、CM規制やデマ規制等の対策が全くできていないことなど、具体的に現状が報告されました。(次回詳報)

 大会二日目は、「現下の改憲情勢」「軍拡・基地強化」「ジェンダー平等」「歴史認識」「憲法を学ぶ」と5つのテーマに分かれての分科会とフィールドワークやひろばが行われました。

その一つ、「軍拡・基地強化」の分科会では、青森県を拠点とする地方紙『東奥日報』編集委員の斉藤光政さんが「新冷戦考―北の要衝/南の要衝」と題して新聞紙上で13回にわたって行った連載記事を元に講演。日本を取り巻く軍事情勢の現状と課題について報告されました。

この中で斉藤さんは、自衛隊が対中国・対ロシア・対北朝鮮を念頭に「南西シフト」と呼ぶ南西諸島への部隊配備を進め、奄美大島、沖縄本島、宮古島、久米島、石垣島、そして与那国島へと次々と自衛隊基地が作られ、ミサイル部隊が配置されていること。その動きに、中国とロシアが津軽海峡や宮古海峡を通過するなど「屈しない姿勢」を見せ軍事的緊張が高まっている現状が報告されました。

 一方、南西諸島の島々が次々と自衛隊基地を受け入れている住民感情について「自衛隊を置くことで、日本が自分たちを見捨てないのではと思っている」と紹介すると同時に、「軍事と金は結びついている」と指摘し、「原発もそうだが、過疎化が進む自治体が自衛隊を受け入れることで経済的な恩恵を受ける」とその理由が述べられました。

 また、「今起こっている軍事的緊張の高まりは、台湾をめぐってのもの。中国が台湾に侵攻するのではないかとも言われるが、アメリカと中国と日本の経済的な結びつきは極めて大きい。そこが戦争をしたら世界経済は間違いなく破綻する」と述べ、「偶発的なことはあり得るにしても、台湾進攻などあり得ない」。その上で、「誰が言い始めたのか? 誰が得をしているのか? を考えないといけない」と指摘しました。

 大会3日目は閉会総会。沖縄から基地問題、福島から原発事故汚染水の問題、山口から中間貯蔵施設の問題がそれぞれ報告された後、実行委員会の染裕之事務局長の大会まとめとアピール採択が行われました。

 なお、来年は1124()26()、岡山市内で開かれることが報告されました。

大瀬敬昭

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