長崎市の死没者名簿と二重被爆者
今月16日のブログ原爆死没者名簿: 新・ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com)の最後に以下のように書きました。
「ただ、新たな疑問がわきます。広島市のことではないのですが、二重被爆者を管理している長崎市は、二重被爆者が亡くなられたとき、どう対応されているのかです。
もちろん、長崎に死没者名簿に新たに記載されることになりますが、もう一つの被爆地である広島に連絡(広島市長崎市以外に在住に被爆者が亡くなられたときは、その居住自治体から両市に連絡があり、名簿に記載される)されるのかどうかです。
その取扱いがどうなっているか、長崎市に問い合わせ、回答を持っているところです。」
すぐにメールで問い合わせたところ、長崎市から次のような回答がありました。
「本市では、毎年8月9日に行われる平和祈念式典において、『長崎市原爆死没者名簿』及び『長崎市広島原爆死没者名簿』の2種類の名簿を奉安しております。
『長崎市原爆死没者名簿』へは、長崎で被爆し、お亡くなりになった方のお名前を登載し、『長崎市広島原爆死没者名簿』へは、広島で被爆し、長崎で亡くなった方などのお名前を登載しております。
二重被爆者の方におかれましては、両名簿への登載が可能であるため、ご遺族へ連絡をとり、どちらの名簿への登載を希望されるか、もしくは両方の名簿に登載を希望されるのか意思確認を行い、登載の処理を行っております。併せて、広島市に対しても、本市で死亡が判明した二重被爆者の方について、別途情報提供を行っています。
なお、本市が把握している二重被爆者の死亡者数は、令和5年10月11日時点で27名です。」
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の追悼空間
この回答で、私の最初の疑問は解決しました。二重被爆者が亡くなられて場合は、長崎市原爆死没者名簿に名前が登載されるだけでなく、両方への名簿登載を希望された場合は、長崎市広島原爆死没者名簿にも記載されます。その上、広島市にも情報提供がされています。広島市は、今回の被爆地別被爆者数を調べるまで二重被爆という認識はなかったようですので、この長崎市からの連絡を受けて、広島市の原爆死没者名簿にも名前が登載されることになりますので、二重被爆者の場合、希望されれば、三つの死没者名簿に記載されることになります。
ここまでの回答を得て、さらに知りたいことが出てきました。
一つは「長崎市広島原爆死没者名簿」には、現在何名の名前が記載されているかです。
その答えは、「今年の8月9日現在97名」です。
二つは、二重被爆者は何人だったのかです。
上記のメールにあるように今年10月11日時点で、死亡者は27名ですから、生存されている人10名(昨日再度長崎市に確認)を加えると37名ということになります。
長崎市の死没者名簿も、広島市と同じく3種類あります。
「長崎市原爆死没者名簿」には、今年8月9日現在「195,607人の方のお名前が198冊の名簿に登載され」ており、その他に「名前がわからない死没者のための白紙の名簿1冊」と「長崎市広島原爆死没者名簿」です。長崎市では、この名簿は、通常長崎市平野町の「国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館」(地下2階)の「追悼空間」に納められているそうです。
これで16日のブログから始まった疑問は一応解決しました。が、気になることがあります。
それは、広島市が二重被爆者を把握していないため、もし仮に広島市に住む二重被爆者がおられた場合は、長崎市のようにその情報が長崎市には提供されないということです。
この長崎市の二重被爆者が亡くなられて時に対応を広島市に情報提供し、広島市としても対応を検討する必要があるのではないかと意見を伝えました。
その後の反応はまだないのですが、広島市も、これを契機に二重被爆者がいないかどうか調べて直して欲しいと思います。
いのちとうとし
[お願い]
この文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。
« 2023年10月のブルーベリー農園その3 | トップページ | 福島第一原発汚染水問題の無責任とウソ »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 労働組合の被爆者組織について教えて下さい。(2025.01.14)
- 2025新春討論会(2025.01.13)
- 広島刑務所の土塀(2025.01.12)
- 2025年最初の広島県原水禁常任理事会(2025.01.11)
「#平和推進」カテゴリの記事
- 2025新春討論会(2025.01.13)
- 広島刑務所の土塀(2025.01.12)
- 被爆80年、改めて国家補償を考える(2025.01.10)
- 吉島稲生神社の被爆樹木(2025.01.07)
「被爆者」カテゴリの記事
- 労働組合の被爆者組織について教えて下さい。(2025.01.14)
- 広島刑務所の土塀(2025.01.12)
- 2025年最初の広島県原水禁常任理事会(2025.01.11)
- 被爆80年、改めて国家補償を考える(2025.01.10)
- 「核のない未来を!世界核被害者フォーラム」の記者会見に同席しました(2025.01.09)
コメント