被爆地別の被爆者健康手帳所有者数―つづき
7日のつづきです。
「被爆地不明」が438人もいるのですが、どういうことですかね。
確かに、被爆者健康手帳を取得するため、申請するときには、当然被爆地が書かれているはずですので、私たちも不明というのはなぜだろうかと疑問に思っています。最初は、「3号被爆者の場合、被爆した場所が広島市や長崎市に限定されないのでそのためか」と考えたのですが、1、2の自治体に問い合わせたところそうでもないようです。不明と報告があったのは、長崎市を含んで11自治体ですが、各自治体に詳細を問い合わせたわけではありませんので、はっきりしたことはわからないのですが、一つ考えられるのは、住所を変わられたとき、絶対に必要な新旧の住所、被爆者健康手帳の番号のみが引き継がれ、被爆地などの情報は、引き継がれなかったのではと思います。被爆地は、被爆者行政に特に必要な項目ではないものですから。
二重被爆者が10人となっていますが?
そうなんです。「人数が合った」と言いましたが、当初は10人多くなっていました。問い合わせてわかったのですが、長崎市には、広島、長崎の両方で被爆した二重被爆者が、10人おられて、それぞれの被爆地で計上されたものですから、厚生労働省がまとめた総数を10人オーバーしていたのです。長崎市は、以前から二重被爆者の人数を把握されていたようです。広島市は、二重被爆ということを調べたことがないので、把握できていません。調べるとすれば、被爆者健康手帳の交付申請書を調べるしかありませんが、今のところ、調査をする要諦はありません。ただ、当時の状況から想像できることは、二重被爆者は、広島で被爆してさらに長崎で被爆したケースがホトンではないかと思います。理論的には、長崎で被爆したあと、広島で入市被爆したということは、考えられなくはありませんが、壊滅的な状況の広島市にわざわざ長崎から来られるというのとは、ほとんど皆無と言ってよいのではないでしょうか。
来年度以降、厚生労働省は、調査しないのでしょうかね?
2年前、各都道府県(長崎市を含む)に調査を依頼するとき、厚生労働省とも相談をし、今回の調査結果についても一応報告し、「来年度以降、3月末現在の被爆者健康手帳所持者数の報告に中に入れることはできないか」とお願いをしたのですが、回答はありません。「各自治体からの報告項目に調査して欲しい」旨伝えたのですが、「被爆地がどこか」は、被爆者行政に直接必要のないことですので、いまのところよい返事は返っていません。
確かに被爆者行政には、直接関係のない統計数字かも知れませんが、今の被爆者状況を知る上では、必要な情報のように思います。各自治体からの報告に1項目加えれば済むことですので、厚生労働省の来年度の報告には、被爆地別の人数も合せて発表されることを期待したいと思います。
都道府県別の被爆地別被爆者健康手帳所有者数の詳細は、https://www.city.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/220504.pdfで検索することができます。
いのちとうとし
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