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2023年10月27日 (金)

「パレスチナ・イスラエル情勢」学習会を開催

一昨日25日、広島県原水禁と広島県平和運動センターは、パレスチナ問題を考えるための緊急学習会を午後6時から自治労会館で開催しました。

講師は、広島市立大学国際学部准教授の田浪亜央江さんです。田浪さんの専門分野は、中東地域研究・パレスチナ文化の研究で、パレスチナ問題では広島での第一人者といってよい専門家です。田浪さんは、学者でもありますが、行動の人でもあります。13日のブログガザ戦闘の拡大ストップ!―原爆ドーム前アピール行動: 新・ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com)で紹介した行動も田浪さんの呼びかけで実施されましたし、その後も毎週金曜日の夕方、原爆ドーム前では行動が続いています。

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「パレスチナ問題と2,023年<ガザ虐殺>の背景」と題しての講演で、短い時間でしたが、歴史を含めた話は、実に興味深く中身の濃いものでした。私の能力ではとてもすべてを紹介できませんので、いくつか印象に残ったことを書きたいと思います。

まず何よりも印象に残るのは、繰り返し強調されたことですが、パレスチナは、ガザ地区だけでなくヨルダン川西岸地区もイスラエルの占領状況にあるということです。そしてイスラエルは、パレスチナにおいて最終的に民族浄化(パレスチナ人口の消滅)を目指して時間をかけて着々とパレスチナ社会を追い詰めて来た政策の帰着としての現在の事態が発生しているという認識が必要だということです。

ここからは、まさに田浪さんの言葉の羅列です。

今回の事態は、突然起こったことではなく、確かにハマスの攻撃で始まったことではあるが、イスラエルはこの事態を待っていたと考えるべきです。

イスラエルの諜報活動の「失敗」と言われていますが、本当にそうだったのかは検証の余地があると思います。

「戦争・紛争」と言えば、対等にぶつかり合っているという印象を持つのですが、それは全く違うと思います。

マスコミは、ハマスのことを「ガザを実行支配するイスラム国組織」と呼んでいますが、「ハマスは、イスラエルのパレスチナ占領に対する抵抗する組織」であり、2,006年のパレスチナ評議会選挙によって勝利し誕生した政権なのです。

イスラエルは、1947年の「国連パレスチナ分割決議」によって誕生した国ですが、その時、先住民の意見は全く無視されました。分割時の人口は、ユダヤ人60万人、アラブ人123万人。分割されたユダヤ国家は、全領域の56%で、人口はユダヤ人50万、アラブ人40万人、アラブ国家は、全領域の42%で、人口はアラブ人72万人、ユダヤ人1万人でした。

問題点は、全人口の30%(土地の6%)しか占めていなかったユダヤ人が56%の土地を支配したことです。その後、アラブ人を軍事力で追放する作戦が開始され、幾度かの戦争を経て、現在に至っていることです。

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ガザ地区は面積が365平方キロ、人口は220万人(うち8割は難民)、広島市で比較すると、安佐北区の面積が、ガザとほぼ同じ353平方キロですが、人口は約14万人です。

こうした事実に基づく話が展開された後、強調されたのは次のことです。

「今の事態について、自分で調べればわかります。まず何よりも事実を知って欲しいです」

そして、私たちに必要なことを次のように提起されました。

「・イスラエルによるガザ大虐殺に黙っていないというアピール。

 ・認識に基づく発信やメディアへの異議申し立て:イスラエルは占領側であり、パレスチナは被占領地であること

・日本・イスラエル軍事協力関係強化への注目と抗議

・イスラエルの政策批判へのタブー視をやめること。非難されても反論できる情報や論理を自分のものにしていくこと」

国連のグテーレス事務局長も次のように発言しています。

「ハマスによる攻撃が理由もなく起きたわけではないことを認識することも重要だ」とし、さらに「パレスチナ人は、56年間にわたる息が詰まるような占領下に置かれてきた」

田浪さんも繰り返し強調された「占領下」という認識が、日本社会の中に、とりわけマスコミの中にあるのか、厳しく問われています。この視点を見失っては、今起きているパレスチナ問題の本質を理解することはできなのではないかと思います。

緊急の呼びかけでしたが、約60人の参加があり、3名の質問もあり、よい学習会になったと思います。参加者の中から、今夜の原爆ドーム前の行動に一人でも参加があればと思います。

いのちとうとし

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コメント

いろいろな見方があるのですね。ユダヤ人・・杉原千畝。樋口季一郎・,ヒグルートすら知らない日本人。理解できないでしょうね.無論自分はさっぱりわかりません。イスラエル・シオニズム?40年以上前からシオニズムの言葉は知っていましたが。

児玉さま

コメントありがとうございます。
このコメントだけで意見を言うのは難しいのですが、田浪さんのお話はここに記載したことでヶではなかったことは理解して下さい。
ユダヤ人の歴史が、差別と抑圧の中にあったのは間違いないと思います。特にホロコーストの歴史は、絶対に忘れてはならない事実です。
しかし、今パレスチナ、ガザで起きていること、イスラエルの占領政策、そして人道を無視する軍事行動は許されるものではないと思います。毎日、多くのいのちが奪われている事実と向き合い、この命を守の声を上げたいと思います。

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