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2023年9月13日 (水)

森滝市郎先生と加納莞蕾―番外編その2

ガリ版印刷の内容豊富なチラシですが、日記に記載されていた「夜『生きていてよかった』『中国の曲芸』」が映画の題名だということがわかります。

チラシによれば、11月2日の夜は、午後8時から『映画の夕』が開催され、そこで4本の映画が上映されています。「生きていてよかった」と「中国の曲芸」は、そのうちの2本です。

チラシに書かれた映画紹介は、大変興味深いものですので、原文のまま掲載します。

中国のサーカス 初めて公開された中国映画!健康で明るい中国のサーカス!大人も子供も面白く見られる映画。北京映画製作所作品」

生きていてよかった 公開以来全国民の感動をまき起こした。原爆被害者の実相を描く長編記録映画。原爆娘の悲痛な叫び。第一部 死ぬことは苦しい 第二部 生きることも苦しい 第三部 でも生きていてよかった 製作・原水爆禁止日本協議会 作品・日本ドキュメント・フィルム社 徳川夢声氏評―心の底から感動した。私にできることならこの映画を持って説明役をつとめながら世界中の人達にこの悲劇を訴えて歩きたい。」

黄金のりんご チェコスロバキア国立映画製作所作品 楽しい××マンガ映画!一つのりんごをめぐってかもしだす可愛い動物たちの物語」

月の輪古墳 古墳の発掘・それは失われた私たちの歴史の発掘であり、光と希望の発掘であった。村中の人たちが、一つにかたまって協力する素晴らしい記録映画」

4本のこの映画には、主催者の強い思いがこもっているように感じます。

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「生きていてよかった」は、1956年7月6日に公開されたばかりの映画です。小さな文字で読めないと思いますが、チラシの本文で次のように紹介されています。

「原爆被害の記録を綴ったもので、ー死ぬことは苦しいー生きることも苦しいーでも生きていてよかった.と、被害の傷手を受けながらも雄々しくも強く生き世界の人々にうったえるほんとうに清らかに強い人間性のすがたをあらわしたものです。この映画から正しい認識と人間性を読み取っていただきたく、みなさんの知性にうったえたいと思います。」

この映画の紹介に「徳川夢声氏評」が記載されていますが、評の内容はもちろん素晴らしいものですが、あえて徳川夢声氏評が使用されたのは、徳川夢声さんが島根県の益田市生まれだからではないかと勝手に想像しています。

「中国のサーカス」と「黄金のりんご」は、外国映画です。この時期、村の映画祭で外国映画が上映されることは珍しいことではないかと思います。しかも2本とも戦後新しく誕生した社会主義の国で製作された映画です。当時、布施村は「平和五宣言」だけでなく「世界連邦平和村宣言」も行っていたようです(チラシに記載)ので、4本の映画のうち2本も外国映画が、上映されたと思われます。「黄金のりんご」は、マンガ映画ですので、子どもたちも楽しめるようにとの思いが感じとられます。

「月の輪古墳」が選ばれた理由と思われることが、チラシの最初に書かれています。「平和な民主的な国・村をつくるには一人一人の文化××が高められ、すべての人々が、まごころから心を合わせ、よく結合してよい社会よい村を作ろうと努力する強い向上心から生まれるのでありまして、明日を信じて希望をもつことが大切であります。」

チラシの下部に記載された日程には「11月4日 研修会 午前10:00より午後2:00 村をたてるにはどうすればよいか総合研究」とあります。森滝先生の日記に「村つくり懇話会」と記載されているものですが、加納莞蕾さんが、「新しい村づくり」に力を入れておられたことが、想像できます。

今回は、「映画の夕」について、考察したのですが、チラシには森滝先生の布施村訪問についてさらに興味深いことが書かれています。明日さらに続けて考察したいと思います。

いのちとうとし

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