広島平和記念資料館令和5年度第1回企画展「新着資料展」
広島平和記念資料館の今年度第1回の企画展となる「新着資料展」が、9月14日から東館1階企画展示室で始まりましたので、昨日行ってきました。
これまでは、新着資料の展示は、地下1階の特別展示室で行われていましたが、現在この部屋は、被爆体験伝承講話が行われるようになったため、今年から1階企画展示室で行われるようになったようです。会場が、資料館を見終わった出口の場所だからだと思いますが、以前の地下1階での「新着資料展」よりも、ずいぶん沢山の入場者があるように感じました。もちろん、資料館を訪れる人が総体として増えているということが主要な要因だと思いますが。
また、広島平和記念資料館の企画展となったことで、以前にはなかった充実した内容のパンフレットが作成され、自由に入手できるようになっています。貴重な資料であると同時に、見る者にとっても、より充実した「新着資料展」になったと言えます。
会場入り口の「はじめに」(パンフレットにも同文を掲載)にはこう書かれています。
「広島平和記念資料館には、現在でも被爆者やその遺族の方々などから、大切にしてきた遺品をはじめとする被爆資料、自らの体験を描いた絵、当時の状況を撮影した写真等の資料が寄せられつづけています。
この展示会では、令和3年度(2021年度)に寄贈された744点の資料から、150点を紹介します。」
この企画展を見る前、「被爆から75年以上経っているが、一年間にどれぐらいの遺品や資料などが寄贈されるのか」が気になっていましたが、この文書によって、その疑問は解明しました。
いまだに744点もの資料が寄贈されているということです。これが多いのか少ないのか、それ以前の寄贈数の資料がありませんので、比較することはできないのですが、私の感想は「今もそんなに寄せられているのか」という思いです。
展示品は、「戦前の広島」、「戦時生活から原爆投下へ」、「戦後資料」、「原爆の絵」の4つに分類され展示されています。
「戦前の広島」のコーナーは、当然とことですが、写真や絵はがきですが、中でも目を引かれたのは、河原町に住んでいた三田嘉一さんが1940年(昭和15年)頃に、自宅周辺で撮影された5枚の写真です。
当時の市民の生活の様子が映っています。こうした日常生活を営んでいる市民の頭上に原爆が投下されたのだということを想起できる写真だと思いました。
爆心地となった島病院の被爆前の写真も何枚かありました。「島病院の中庭にあった猿小屋の前で」という写真は、以前にも見た記憶があるのですが、玄関前から撮った写真を見たの初めてです。
この写真のキャプションには、次のように書かれています。
「原子爆弾は、広島市の中心部にあった細工町の島病院上空600メートルで炸裂しました。島病院は、1933年(昭和8年)8月31日に広島郵便局電話課の建物を改築して開院しました。レンガ造り2階建て、正面玄関両側の円い柱と円形の窓が特徴的な建物で診察室や手術室、病室などの部屋がある大規模な病院でした。」
このキャプションに注目したのは「広島郵便局電話課」という言葉です。すぐ向かい側に広島郵便局がありましたので、電話課だけが別棟で、しかも堅牢な建物だったことがわかります。この時期に、電話課は、広島市下中町(現在の広島市中区袋町)に3階建ての広島中央電話局として移転し、ここで被爆することになります。この広島中央電話局の建物も非常に堅固に作られた建物だということを、私が労働運動を始めた頃(1970年代)の全電通広島支部が、この被爆した広島中央電話局の建物の中にありましたので、何度も聞いた記憶があります。
この写真を見ながら、そんなことを思い出しました。
まだまだ、企画展の最初部分を見ただけですが、長くなりました。明日につづけたいと思います。
いのちとうとし
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