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2023年9月25日 (月)

福島原発事故汚染水、海洋放出のこと

8月24日、政府と東京電力が強引に初めた福島原発事故汚染水の海洋投棄のこと、汚染水と発言した農水大臣が岸田文雄首相から強く叱られたこと。広島の衆議院選挙の予定候補者が、9月7日に「汚染魚」と発言したことで、予定候補者から外され、所属政党の幹部からも叱責を受けたこと。

まあー8月24日に海洋投棄を開始して2週間で魚が汚染されるのは少し早いにしても、予定候補者から外れることではないだろうと思っています。「魚が汚染されるのは少し早いにしても」と書いたのは、汚染された放射性物質が魚の口に入り汚染魚になるのは、もう少し時間が掛かると思ったからです。

Photo_20230924175301

農水大臣の発言にしても予定候補者の発言に対する対応にしても、戦時中によく言われていたという「非国民」という言葉と同じように思ってしまいました。

広島の被爆者団体の役員の方から電話があり、事務所に差出人の住所も名前も書いていないワープロで作成された手紙が送られてきたというとのことで、その手紙を見させてもらいました。

被爆者団体に送られた手紙には、この被爆者団体が街頭で汚染水海洋放出に反対する署名集めをやっているテレビニュースを観て、「コメントがあまりにひどい」、「知性を欠いた科学的知見を欠いた」という言葉が連なっていました。

以前、私が経験した「日本から出ていけ」とかいう罵倒調の物ではありませんが、こういう議論を提起するのなら、せめて「名前などは明らかにできないので、匿名とします」くらいは書いてほしいものです。

違う被爆者団体の事務所には、広島市の比治山にある放射線影響研究所の幹部が直接やってきて、汚染水は安全だということを熱く語ったそうです。

何よりも情けないのは、マスコミ報道が「処理水」という言葉で固まっていることです。「処理水(汚染水)」とでも言えないのでしょうかね。

9月15日付けの中国新聞の「論考2023」という記事に、『「疑うこと」こそ科学的』というのが掲載されていました。

汚染水の海洋投棄は、事故を起こした福島第一原発の廃炉を進めるための敷地が必要だという理屈です。しかし、廃炉の行程も計画も決まらないままに、汚染水を海に流すという理屈は成り立たないと思うのです。廃炉にむけての「中長期ロードマップ」では、2051年には福島第一原発の廃炉が完了して、汚染水の海洋放出も終了するとしています。

あと28年です。28年で廃炉が終わることはありえません。日本原子力学会・廃炉検討委員会の宮野廣さんも「51年廃炉」はあり得ないと話していました。数百年の幅もあると思います。このまま汚染水放出を続けることは地球に対する大犯罪です。

政府は海洋投棄に対する「風評被害対策」として、1000億円を超えるお金を使うといいます。このお金は私たちの払う税金であり電気料金です。電力会社から「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を通じて東京電力に支払われるものです。当然、電気料金の値上げという事態が想定されます。

私は、廃炉の行程や方法が決まるまでは、福島第一原発構内にタンクを増設するとともに、近くにありこれまた廃炉が決まっている福島第二原発の構内に保管し放射線量の減少を待ち、その間に汚染水の処分方法を考えて良いのではないかと思うのですが。

何がなんでも異論を聴こうとしない態度では、この国の政治への信頼は失われるでしょうね。もっとも困るのは、市民が「怒り」を失うことだと思っています。

木原省治

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コメント

DDTや枯葉剤も当初は安全とされていました。
被害が出てからも、DDTを開発した会社は被害を告発した科学者を非難し、なかなか有害性を認めなかったのですよね。
人類は歴史から学ばず、同じ過ちを繰り返しているのではと思います。

DDTや枯葉剤も、当初は安全ということになっていたし、汚染水の海洋放出は怖いですよね。

9月27日に15:00~16:30にZOOMで"福島第一原発敷地からの放射性物質の流出の実状と処理汚染水”のオンラインセミナーがあります。(FoE Japan主催)
https://foejapan.org/issue/20230921/14432/

お二人のコメントありがとうございました。まさに歴史が繰り返されているという思いです。国外からの抗議の声も多いので、これに期待をしながらも、やはり日本の中での声を大きくしたいと思っています。

いつも読みやすい記事ありがとうございます。美容院とかタクシーとかで、汚染水の話をしました。みんな怖いという思いは持っていました。人間の感覚は鋭いと思いました。その気持ちを表現することが大切なんですね。

コメントありがとうございました。美容院とかタクシーで汚染水の話しと聞いて、この感覚を「捨てたもんじゃない」という気持ちにさせてくれました。ある新聞に、福島第一原発の廃炉には約300年というのがあり、自分自身の責任も感じています。これからもよろしくお願いします。

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