森滝市郎先生が最初に座り込みをされたのはいつか?―森滝日記より
5月4日のブログ森滝市郎先生が最初に座り込みをされたのはいつか?: 新・ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com)で、「森滝市郎先生が最初に座り込みをされたのはいつか?」について、私なりの検証を試みました。その結論として「4月6日には、吉川さんなど4人に加わって県被団協の抗議大会に集まった人たちと一緒に座りこまれた」と記しました。
森滝先生の日記ではどう書かれているのか、ずっと気になっていましたので、先日加納加世子さんの森滝家訪問に同席した機会に、日記を見させていただきました。
昭和32年(1957年)の日記を探しました。
1957年(昭和32年)4月20日の日記
4月6日の日記には、簡潔に次のように書かれています。
「四月六日(土) 慰霊碑前で『祈りと抗議の座り込み』及び午後、原爆被害者大会.激励の挨拶。(七時十五分に録音ニュース)」
後に「座り込み10年の『前史』と理念」では「この数名の被爆者有志の行動に動かされて広島県被団協は四月六日にこの人たちを囲んで『祈りと抗議の座りこみ』をおこない,その場で被団協の抗議大会を開いた。」と記述された「被団協の抗議大会」については、なぜか日記には全く記されていません。
しかし、日記に「祈りと抗議の座り込み」と、はっきりと記述されていますので、私が得た「座込みを続けていた吉川清、小林薀徹、南小一、河本一郎たち4人と一緒に座り込みをされた」という「一応の結論」が間違いでなかったことを、森滝先生の日記から確認することができました。
5月4日のブログで紹介した「4月20日の原水爆実験抗議広島市民大会」については、日記には、この市民大会のすべての日程、発言者が記述されています。
日記は「四月二十日(土) 雨さかんに降る」で始まります。気象台の記録「31.1mm」を裏付ける記述で、強い雨が降っていたことが、この1行からも理解できます。
以下「水爆実験阻止広島市民大会を決行。原爆資料館下で。」、その後に「開会 黙祷 大会会長挨拶」と当日のプログラムが記載され、きちんと発言者の名前が書かれています。当日の森滝先生の役割は、次第の6番目の「アピール」です。当日二つのアピールが行われています。最初は、「祈りと路抗議の座り込み団代表」です。吉川清、小林薀徹、南小一、河本一郎の4人の名前が書かれていますので、4人全員のアピールがあったことがわかります。次が、「世界への質問」と題した森滝先生のアピールです。日記の「市民大会の次第」に続いて次のように書かれています。
「世界への質問」(今朝ひらめいたことば)
「今日 私は二十数万の原爆犠牲者の眠るこの慰霊碑の前で、一個の倫理学者として 全世界に向かって 一つの質問を厳粛に提出します。
今日 世界で最も強い國というのは 最も大きな罪悪を犯さなければならない口であろうか。」(原文のママ) 今にも生きる問いかけのような気がします。
そして「雨中乍ら集まったもの約千名。」と記述されて、この日四月二十日(土)の日記は、終わっています。
森滝先生の日記を見ることで、「森滝市郎先生が最初に座り込みをされたのはいつか?」の結論を得ることができました。
いのちとうとし
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