今年も「原爆の絵画展」に行きました。
8月6日から24日まで広島国際会議場地下2階ダリアで、「聞き、描く。共に、描く。高校生が描いたヒロシマ 原爆の絵画展」が、開催されています。
今年もこの「原爆の絵画展」に行ってきました。
原爆被害の実相を後世に伝えていくとともに、被爆体験を継承していくため、基町高校の生徒たちが、被爆体験を聴き、想像を絶する光景をどう描くが思い悩みながらも、資料を集め、証言者と何度も打合せを行い、約一年かけて描き上げたのが「原爆の絵」です。
7月3日に完成披露された今年の作品は、9点です。会場には、9点全てが展示されています。
全ての作品を紹介したいのですが、ここでは新作のうち最初に展示されていた作品を紹介します。
タイトルは「赤子を抱き、腕から血を噴き出しながら『助けてー』と叫んでいる母親」です。被爆体験証言者は山瀬淳子さん、制作者は木村光希さんです。
作品一枚一枚に、説明文や生徒、被爆体験証言者のコメントが書かれてパネルが展示されています。
この絵には、次のような説明が付いています。
描いた場面の説明「原爆投下後間もなく、隣のおばさんが幼児を抱き抱え、山瀬さんの家の前のバス道路で『助けてェー、助けてェー』と叫んでいて、左手から血を噴き出していました。近所の人は、パニック状態で、誰も助ける余裕がなかった。」
生徒のコメント「『助けて』と叫ぶ表情、血が噴き出している、赤ちゃんを抱きかかえているという三つの大切な要素を1つ1つ、どうやって表現するかということに苦労しました。人物が主役になる絵だったので、出来るだけリアルに描くことを意識しました。原爆の絵を通して、広島に住む高校生として、山瀬さんのお話を絵で表現し、平和について向き合う機会を得られて良かったです。少しでも多くの若い世代の人や広島県外に住んでいる人の目にとまれば良いなと思います。」
被爆体験証言者のコメント「顔合わせの時には、言葉ではなかなか伝えにくい場面、状況の映像をどうにか言葉で伝えるつもりでした。その絵の制作途中では、絵を見ながら意見を交わしたり、メールで画像を送ってもらって確認しました。絵がほぼ完成の段階で訂正を求めたりもしました。大変申し訳なく思っております。お陰様で被爆の悲惨さが伝わる良い絵に仕上げていただきました。ご苦労様でした。有り難うございました。感謝。」
制作者と被爆体験証言者、二人が葛藤しながら作品を仕上げたことが伝わってきます。
全ての作品に同じような説明文が付けられていますので、一つ一つ読んでいくとかなりの時間がかかりますので、今回は、新作9点を中心に読み進んでいきました。
ただ、この説明文は作者、被爆体験証言者の思いが知ることが出来、絵をより理解することが出来ますので、少しでも多く読んで欲しいなと思います。
これまでに完成した作品は、191点。作成に協力した被爆体験証言者は、31人です。
今回展示された作品は、約50点です。(数え忘れましたので、約としました。)
最近は、この絵が被爆証言を話すとき、当時の状況をより理解してもらうために使われているようです。
今月24日まで開催されていますので、ぜひ見に行ってください。
いのちとうとし
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