「在ブラジル原爆被爆者協会資料」特別展
「在ブラジル原爆被爆者協会」が、広島県医師会に寄贈した「南米被爆者に関する資料」の展示が、今月の6日から東区二葉の里にある広島県医師会館1階ロビーで行われています。
先日、その特別展を見に行ってきました。
「南米被爆者に関する資料」は、広島県医師会が広島県医師会館1階ロビーに昨年8月4日にオープンした「被爆者伝承コーナー」の一角に展示用ケースを増設して「被爆者と医師 太平洋を越えて」のタイトルで展示されています。
ロビーの「被爆者伝承コーナー」と看板が付けられた壁面に、広島大学原爆放射線医科学研究所久保田明子さんの「在南米原爆被爆者調査について」のタイトルで、「①はじめに②調査の概要③被爆時の健康被害④家族の被害⑤健康と生活の影響⑥自由記述⑦終わりに:調査から見えてくるもの」の7項目にわたって、資料からの分析がパネルで表示されています。その全文は、会場に置かれたパンフレットに掲載されていますので、会場で入手することができます。
調査の概要には、1988年にブラジル、ボリビア、アルゼンチン、パラグアイ、ペルーの南米5カ国の被爆者188人に対して協力を求め、1989年3月末に回答のあった139名分をまとめたことが記されています。それによると、広島での被爆者が62%、長崎での被爆者が38%となっています。
広島県が行った在南米被爆者への検診事業は1985年から開始されていますので、この健診事業が、実態調査の契機となったことがわかります。
南米5カ国と書きましたが、その調査は在ブルジル被爆者の皆さんによって進められました。なお、在ブラジル原爆被爆者協会は、1984年に結成され、2008年8月に「ブラジル被爆者平和協会」に2020年末に解散しています。
「南米被爆者に関する資料」は、上記写真の一番右奥の展示ケースに展示されています。
このコーナーには、二つの展示ケースが設定されています。向かって左側展示ケースには、米国被爆者協会が行った「在米被爆者調査書」が展示されています。
その資料には、長く米国被爆者協会の会長を務められた倉本寛司さんの名前が書かれています。
この資料を参考にして、在南米原爆被爆者の実態調査が行われましたので、在ブラジル被爆者協会の保存されていたのです。
向かって右側の展示ケースに、在南米被爆者調査の各種資料が展示されています。
この他にも、在ブラジル被爆者協会会長の森田隆・森田綾子著「ブラジル・南米被爆者の歩み」や広島県医師会刊「広島県医師会在米原爆被爆者検診事業推進30周年記念誌」なども展示されています。
見た感想では、スペースの関係もあり、医師会だから仕方のないことかも知れませんが、健康調査に関する資料のみに限られていましたので、被爆者協会としての活動の歩みに関する資料も展示されれば良かったなと感じました。
まだ資料を調査中のようですから、全てが完了した時点で、何らかの方法で全資料が公開されればと思います。
帰宅後、「在ブラジル原爆被爆者協会資料」特別展の様子を在ブラジル原爆被爆者協会の皆さんに連絡したところ、森田隆さんの娘さんから「父もまだどうにか元気でいます」との嬉しいメールが届きました。
いのちとうとし
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