『サミット前、サミット後』を感じた、78周年「原爆の日」
酷暑の中、78周年の「原爆の日」を乗り越えることができました。この暑さの中、全国から全世界から多くの人たち広島に来ていました。この地から何かを得たい、学びたいという姿に受け入れる側の者として、その責任を新たにしました。
8月5日・7日には、平和公園内の碑めぐりガイドという役目もありました。この時期は、労働組合や〇〇市(町)平和使節団という人たちで、とっても有意義な出会いを得ることができたと思います。
碑めぐりだけでなく、原水爆禁止世界大会や市民団体の集会などへの参加、恒例になっている8月6日早朝の中国電力本社前の「反原発座り込み集会」、全国からやって来た友だちとの飲み会、新しい出会いも多くあり、とっても楽しい時間となりました。
初めて会った人と、「それではまたどこかで会いましょうね」と挨拶をし、握手を交わして笑顔で別れる時、長い間この活動を行ってきたことの、まさに醍醐味と感じます。中村雅俊さんの歌『ただお前がいい』の一部、「また会う約束などすることもなく、それじゃまたなと別れる時のお前がいい」を思い出します。
5月に広島市でサミットが開催され、この国の平和運動について『サミット前』、『サミット後』ということを感じるのです。この区切りに明確な線が在る訳ではないのですが。
サミットを終えての感想で、カナダ在住の被爆者サーロー節子さんが、「広島サミットは大きな失敗だった、首脳たちの声明からは体温や脈拍を感じなかった」と断じておられました。首脳たちの声明とは「広島ビジョン」を指しているのだろうと思いますが、体温や脈拍を期待していたことが、サーローさんの優しさと、言葉が悪いのですが「お人好し」だったと思うのです。
今さらという思いもありますが、私たちの「お人好し」が分かったことが、広島サミットから得ることのできた、「成果」と「教訓」であったとも思っているのです。
平和公園を訪れる人に、外国人の姿がとっても多くなりました。そのシーズンになれば修学旅行生の姿も多いです。一方で平和公園沿いの道で、核兵器禁止条約制定署名を集める街頭宣伝をやっていたら、私たちに対し「核兵器は要るわいのー」「時代遅れのことを言うな」という意味の言葉を掛けられることがあります。
その数はすごく多いということではありませんが、以前に比べるとそれなりに有るようになりました。これは中国やロシアの「脅威」ということが宣伝されすぎて、軍備増強の方向に舵を切ろうとしている政権の魂胆が強く作用しているように思うのです。
広島・長崎の体験が根底にあるこの国の平和運動、平和を脅かしているものが、明確で且つ具体的な姿で見え始めている今、新たな教訓を与えてくれたのではないでしょうか。でもそれはかなり以前から言われてきたものだとも、思っています。
山口県上関町に使用済み核燃料の中間貯蔵施設を作るための調査を、中国電力と関西電力が共同事業として行うというニュースが入ってきました。上関町長は初めて聞いたようなコメントをしていますが、この計画は巧妙に準備されたものです。そのことを「寝耳に水」というような表現をすることこそ、原発開発の「うさん臭さ」を感じるのです。
そして中国電力と関西電力によるカルテル事件でも、新たな展開が出てきました。それが1年中で一番忙しいこの時に明らかになったこと、多くの人から質問やメディアからの取材がありました。この問題については、次号で書きたいと思っています。
木原省治
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広島・長崎の体験が根底にあるこの国の平和運動、平和を脅かしているものが、明確で且つ具体的な姿で見え始めている今、新たな教訓を与えてくれたのではないでしょうか。でもそれはかなり以前から言われてきたものだとも、思っています。
その文章について質問があります。
⓵ 広島・長崎の体験が根底にあるこの国の平和運動、平和を脅かしているものとは?具体的にどんなことですか?
②新たな教訓とはなんでしょうか?
勉強不足で申し訳ありません。よろしくお願いします。
投稿: 横浜リカ | 2023年9月 6日 (水) 00時14分
横浜リカさん、投稿ありがとうございます。ご質問の①ですが、この国が軍備費を増強し核抑止力を認め、軍事大国化しようとしていることです。②は広島サミットが原爆が投下されたこの地で開催され、「ヒロシマ」という場所が核廃絶の地から、核抑止を認める「言い訳の地」に変わってくるのではということです。
投稿: 木原省治 | 2023年9月 7日 (木) 09時06分