福井県にある関西電力の高浜原子力発電所1号機が、28日午後、原子炉を起動し、12年ぶりに再稼働させました。この原発は、来年で運転開始から50年になります。
高浜原発1号機は、1974年11月に運転を開始していますので、現在、国内でもっとも古い原発で、東京電力福島第一原子力発電所事故前の2011年1月に定期検査で停止して以来、12年6か月ぶりの再稼働です。福島第一原発の事故のあと原則40年に制限されてきた運転期間を超えて再稼働するのは、同じく福井県にある美浜原発3号機に次いで、全国で2例目です。再稼働によって、使用済み核燃料の更に増え続けることになります。
安全対策を講じたとしても、原子力発電所に、「絶対の安全はない」ことは、東京電力福島第一原子力発電所の事故が、残念ながら証明しました。そして、放出された放射能によって核被害者が生まれました。
こうした事実に向き合うことなく、原発の新たな安全神話を振りまき、原発の再稼働を行うことは、絶対に認めることは出来ません。
広島県原水禁は、関西電力の今回の原発再稼働に抗議し、全ての原発の廃炉を求めて、昨日午後6時から原爆慰霊碑前で座り込みを実施しました。
暑い中でしたが、30名が参加し、次のアピール文を全員で採択し、座り込みは終了しました。
関西電力高浜原発1号機の再稼働に抗議し、原発に依存しないエネルギー政策を求めるアピール
関西電力は本日、多くの国民の反対の声を聞き入れることなく高浜原発1号機を再稼働させました。
この原発は、来年で運転開始から50年となる、国内最古の原発で、原則40年に制限されている運転期間を超えての再稼働です。
2011年3月11日、私たちは、決して忘れることのできない東京電力福島第一原発の過酷事故を経験し、改めて、原発に依存しない社会の実現を決意したはずです。
しかし、岸田政権は今年5月、原発の60年を超える運転を可能にする法律を成立させるなど、原発の再活用へと大きく舵を切りました。
福島原発事故から12年が経過しましたが、「原子力緊急事態宣言」は、現在も解除されておらず、廃炉作業も遅々として進んでいません。また、地元の反対を押し切り、溜まり続ける放射能汚染水の海洋放出を強行しようとしていますが、原発事故がいかに危険で長期にわたり、人々の生活と生命を危険にさらすものであるかを示しています。
関西電力はさらに9月中旬、高浜原発2号機の再稼働を計画していますが、今求められているのは、危険な原発への回帰ではなく、再生可能エネルギーのさらなる開発など、原発に頼らないエネルギー政策の推進です。
福島の被害者の思いを忘れてはなりません。
核と人類は共存できません!
私たちは、高浜原発1号機の再稼働に強く抗議するとともに、即時運転の中止を求めます。
2023年7月28日
「高浜原発1号機再稼働抗議・慰霊碑前座り込み行動」参加者一同
採択されたアピール文は、関西電力と岸田首相宛に郵送しました。
改めて原発問題を考えます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、今もなお、避難先での生活を強いられている住民が多数います。
爆発事故を起こした原発の廃炉作業は難航し、何時収束するのがめどは全く立っていません。それが原発事故の実態です。
大量の生み出された汚染水は、原発敷地内を覆い尽くし、多くの反対の声を無視して、日本政府、東京電力は、海洋放出の計画を強行しようとしています。
さらに5月には、岸田政権は、原発の危険性を全く無視し、原発の60年超の運転を可能にする「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」を成立させ、東京電力福島第1原発事故後に導入された「原則40年、最長60年」とする運転期間の制限を緩めました。この関西電力高浜原発1号機は、この法成立による60年超運転の最初の原発となる可能性があります。
原発の危険性は、構造的な問題だけでなく、戦争によっても非常に脆弱なものであることを我々の教えたのが、ロシアとウクライナの戦争です。ロシアによるウクライナ侵略以来、ウクライナのサボリージャ原発が、軍事行動の標的となり度々危険に状況に追い込まれました。
この事実からも原発の危険性を学ばなければなりません。
私たちは、訴えつづけます。「原子炉を直ちに停止し、全ての原発を廃炉にせよ!」と。
いのちとうとし
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