ガタロウ個展・絶望御美術
6月6日付の中国新聞で紹介され,行きたい行きたいと思っていた「ガタロウ個展・絶望御美術」に最終日の昨日行ってきました。
会場は、横川の古本屋「本と自由」の店内の右奥の一角です。少し路地を入った場所にありますが、以前に覗いたことのある古本屋ですので、場所はすぐわかりました。
お店の前に小さな看板が出ています。
中に入り、作品が並ぶ一角に行きます。当日は、画家は不在でしたので、これから紹介する内容は主に店主から聞いた話です。
正面の左右の壁面に「イタム人々」とタイトルの付いた25人の顔を描いた作品が並びます。ガタラウさんが、基町で清掃員として働いていたときに出会った人々です。中には近くの病院から抜け出してきた人もいるようです。
どの顔も苦悩でゆがんでいるように見えます。今年の2月頃から作られた作品と言うことでした。
左隅上部に会場となっている横川の風景を描いた絵が2枚あります。
右側の絵は、ガタロウさんが基町での仕事を終えて帰宅(長束)途中によく寄ったというお好み焼き屋さんが真ん中に描かれています。
左側の絵は、映画館・横川シネマが描かれています。この絵は、いつもは横川シネマに展示されており、当初はこの展覧会では展示する予定がなかったようですが、展示を手伝った女性が、横川シネマにお願いをして展示することになったそうです。この個展が終われば、横川シネマに帰るはずですので、気をつければそこで見ることができると思います。
中国新聞で、「広島での先進7カ国首脳会議(G7サミット)がモチーフ」と紹介された「Flag7」は、左側壁面の真ん中ほどに展示されていました。
7本の旗が黒く塗りつぶされています。ガタロウさんのG7への思いが伝わる作品です。
私が気になったのは、この作品もですが、そのすぐ上にある「ヒロシマ 川になだれ込む被爆者」とタイトルの付いた作品でした。
被爆時の様子を描いた作品です。原爆に直接関わると思われる作品は、この一点でしたので、余計に気になったかもしれません。
会場には、絵画作品とともに様々な表情をした小さなお人形が至る所におかれています。
店主の説明では、ガタロウさんが清掃作業員として使っていた軍手が人形の素材だということです。作りも作ったり、約5年間で3千体です。平均すれば一日2体ぐらいを作ったことになります。その精力的な人形作りのエネルギーにびっくりします。
「イタム人々」も今年に入ってから描かれたものですから、すさまじいエネルギーを感じます。
数年前に、陸軍被服支廠を描いた作品がメインにしたガタロウさんの南区民文化センターでの個展以来,久しぶりにガタロウさんの作品を見ることができました。今回の個展は、全く違う感覚で見る展覧会でした。
いのちとうとし
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