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« 資料館視察後の各国首脳のメッセージと「広島ビジョン」 | トップページ | 2023.5月のブルーベリー農園その3 »

2023年5月22日 (月)

戦争支援強化を決めたG7サミット

ウクライナ・ゼレンスキー大統領の広島訪問を歓迎する声が、異常に高まりました。戦争を継続する国の大統領が、ヒロシマの地を訪れたことは、そんなに歓迎すべきことでしょうか。

ゼレンスキー大統領が広島を訪れたのは、「停戦を進めるため」のものではありません。ロシアとの軍事行動においてより有利に戦闘を展開させるための協力を求めることが目的だったことは、明白です。

それを証明する出来事の一つは、ゼレンスキー大統領の訪日が明らかになると同じ時期に発表された欧州の同盟国が、ウクライナにF16戦闘機の供与をアメリカが認めたことです。軍事支援の一層の強化は、さらなる戦闘の継続拡大を意味し,戦争の惨禍が広がるのです。

広島が望む、即時の停戦は遠のいたと言わざるを得ないのです。

ロシアの違法なウクライナへの軍事侵攻以降、核兵器の使用の脅し、脅威が強まっています。核による威嚇や使用は、絶対に許されるものではありません。ロシアの度重なるこうした発言を厳しく糾弾しなければなりません。

私たちは、これまで「核兵器の廃絶」を求めてきました。そして「核兵器の使用につながる戦争を否定」してきました。それが「ヒロシマの心」だと私は、広島で学びました。戦争がなければ核兵器が使用されることはありません。「核の脅威」から逃れる道は、即時に停戦し、平和への話し合いを開始することです。

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私たちは、ゼレンスキー大統領の広島訪問が、即時の停戦のための話し合いを進めるためであれば、心から歓迎しました。しかし、今、そのヒロシマが、さらなら戦闘行動を強化するための話し合いの場になってしまったのです。

紛争当事国の一方だけを招き、それを支援すると言うことは、戦争に加担することを意味します。

サミット首脳声明の冒頭で次のように言及していることからも明らかです。

「ウクライナに対する外交、財政、人道、軍事支援を強化し、ロシアとその戦争を支援する国々の負担を増加させる」

これが、岸田首相が議長を務めたサミット首脳声明であることは極めて重要です。

「核兵器の脅しや使用」を厳しく批判してみても、その根源である戦争そのものを否定しないのであれば、真の平和をもたらすことはないのです。

岸田首相は「歴史的サミットだ」と言います。悪い意味でその通りだと私も思います。

この事態の中で、私たちは何をすべきか、何が出来るのか、真剣に考えなければ、ヒロシマは、ヒロシマとしての役割を果たすことが出来ないように思います。

被爆地ヒロシマにG7各国の首脳が広島に集まり、資料館を見学し、被爆者と面接したことを評価しようと思っていたのですが、今はとてもその気持ちにはなれません。

ゼレンスキー大統領の広島訪問のニュースを知ったとき、本当にいやな予感に襲われましたが、それが現実のものとなってしまったと思うのは私だけでしょうか。

いのちとうとし

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コメント

そもそも核兵器禁止条約に署名もしていない核保有国と核の傘にいる国の首脳が集まって広島でサミットをやること自体が間違いだったのではないか。核兵器は絶対悪というのは平和宣言で毎年言われていることである。サミットでは核抑止力を公然と認めた。各国首脳に「被爆の実相」を見てもらうから「歓迎」するムードがあったが、見事に裏切られた。核戦争を阻止してきたのは各国首脳ではなく、市井の被爆者をはじめとした闘いであり、それが本当のヒロシマだと思う。ちなみに私はサミット反対のデモに参加してきましたが、機動隊のデモに対する「規制」というよりは暴力は激しかった。国家権力がいかに今回のサミットを異論なく「成功」を演出したかったのかがよくわかりました。これが「自由と民主主義」の正体だとよくわかりました。

ブロッホさん
コメントありがとうございます。
ご指摘の通りです。核兵器の使用を止めてきたのは、決して政治家ではなく被爆者の訴えがあったからだと言うことを、改めて確認すべきです。
「広島ビジョン」、広島の名を語って,核抑止力を強調し、核兵器の存在そのものを容認することは許されません。
すさまじい警備体制、市民的権利を封殺する権力の姿があらわになりました。
だからこそ諦めることなく、声を上げつづけることが、私たちの役割だと思っています。

2023年6月17日の中国新聞。オピニオン、G7広島サミット。掲載文は、天風録では、載らない内容でした。

Aさん
コメントありがとうございました。
私も、山口響さんのオピニオン、新鮮な気持ちで読みました。特に「先ずは殺りくを止めるためのロシアに対する停戦協議申し入れについては一言も語らないのは奇妙ではないか。」は、同感です。こうした視点での指摘が、これまでの中国新聞記事には見当たらなかったのは、残念です。全て読んでいるわけではありませんが。

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