説明不足の電気料金値上げ
大手電力7社の家庭用規制電気料金が、6月の使用分からで平均15・9%~43・4%と値上げされることになりました。中国電力では、4月から値上がりしている託送料金といわれる送配電網の利用料を含めると、標準家庭(260㌗時使用)の場合、27.5%1667円増えて7720円になるとされています。
値上げを申請した時の値上げ率は31・33%でしたから、ほんの少しだけ減額されただけです。認可では、もっと大きく減額されることを予想していましたが、ほんのわずかの減額でした。
また電力会社は、値上げ開始時期を4月1日と希望していましたが、岸田文雄首相の統一地方選挙などや衆参補欠選挙を意識した「政治力」で、予定より2か月遅らせたのが大方の見かたです。
中国電力の場合は、カルテル事件で公正取引委員会から707億円を超える課徴金を命じられたことや顧客情報の不正閲覧事件などで、社会的な批判が継続している中での値上げです。
なによりカルテル事件では、事件の真相はまったくといってよいほど明らかにされていません。電気料金問題を担っている経済産業省は、カルテルや不正閲覧事件について、一定の検証と対策が得られたとしていますが、まったくそうは思えません。こんな状況の中で、消費者の理解が得られるといえるのでしょうか。
値上げを了承した関係閣僚会議
西村康稔経産大臣は値上げの認可にあったって、「電気事業法で料金値上げは、(カルテル事件など)不適切事業の有無を考慮するとはされていない」と話していました。また新聞記事は、見出しに『不祥事の影響 算出「困難」』と書いているのもありました。不正事件について見逃す考えの西村大臣の発言は、市民感覚を無視したとしか言いようがありません。
6月28日に開催される中国電力株主総会で、清水希茂会長と瀧本夏彦社長は、一連の不正事件で引責辞任をすることになっていますが、清水会長は相談役に就くことになっています。本気で社内改革を行おうとする気持ちがあるのなら、古い体質は一掃すべきだと思います。
なによりも707億円を超える巨額の課徴金を、消費者にツケ回しするのではなく、どういう方法で調達をするのかを明らかにし、株主や消費者の理解を得ることです。
1878年3月25日、この国に初めて電灯が灯ってから145年、戦争と政治の中で翻ろうされながら歩んできた電気をめぐる歴史です。『政治がどうにかしてくれる、なんとかなる』という悪い色がしみ込んだ電力会社の体質を、取り払うことは簡単で容易ではないでしょう。
しかしこの度のカルテル事件こそ、そのキッカケにすべきだと思っているのですが。
木原省治
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