「―G7サミット広島開催から核兵器廃絶を―「ヒロシマ」のおもい、核兵器廃絶のおもいを世界へ 5・17原水禁集会」
昨日、午後6時から原水禁国民会議が主催する「―G7サミット広島開催から核兵器廃絶を―「ヒロシマ」のおもい、核兵器廃絶のおもいを世界へ 5・17原水禁集会」が、広島YMCA国際文化ホールで開催されました。
原水禁国民会議の谷雅志事務局長の司会で始まった集会の最初に、私は主催者を代表して次のように訴えました。
「広島平和公園に立つ各国首脳は、何より一人の人間として慰霊碑の前に立って欲しい。かつて多くの人びとが生活をしていたこの場所で、起きたことを、そして多くの市民のいのちが一瞬にして奪われたことに思いをはせて欲しい。その事実と向き合った欲しい。その上で、核兵器保有する国の責任者として、核兵器に依存する国の責任者として、このような悲惨なことを再び起こさないために今何をすべきか、何が出来るかを考えて欲しい。広島をパフォーマンスの場にすることは絶対に許されない。そのために私たちは声を上げつづけよう。」
集会のメインは、原水禁顧問で前広島市長の秋葉忠利さんと若い梶原百恵さんのトークセッションです。梶原さんは、元高校生平和大使の一人で、被爆体験継承者として活動を進めています。司会の谷さんの進行で進みました。
秋葉さんがその中で特に強調されたのは、「核兵器の先制不使用の重要性」でした。梶原さんの話は「・被爆体験を伝承することのおもい/・被爆者の話を直接伺える最後の世代だという自覚/・映像ではなく対面で心から向き合う意味/・思い出すのはつらい体験を話してくれる被爆者へのおもい/・「核抑止力」は存在しないということを訴えたい…どうすればよいかを考えていきたい」(事前にもらっていた資料から)でした。最後に「反核平和の問題をどう発信するのかを大学の研究課題にしている」ことが紹介されました。
その後すぐ行動をしようということで、参加者が、秋葉さんが呼びかけているchange.orguによるオンライン署名をQRコードから読み込んで、実施しました。
この集会では、若い人たちの声を大切にしたいとの思いから4人の元高校生平和大使(井上つぐみさん、梶原百恵さん、大内由紀子さん、神浦はるさん)の意見を聞きながら、準備が進められました。
そこで次のような提案がされ、この集会で生かすことになりました。
①プログラムの下に「#ヒロシマのおもい2023」をつけてつぶやいたり写真をアップしたりしてください、とする共通#を明示する
②集会の最後にカラーコピーでプラカードを作成し、写真撮影をする時間を設ける
③集会アピールの英訳・読みあげ動画を作成する
トークセッションの後、第25代高校生平和大使6名(広島2名、この集会のために駆けつけた長崎4名)からの一年間の活動を通して学んだことのアピールが在りました。
最後に次の集会アピールを元高校生平和大使の大内由紀子さんが読み上げ、全体の拍手で採択されました。
間もなくG7サミットがここ広島で開催されます。私たちはG7サミットが、「ヒロシマ」に込められた被爆者や市民の思い、ならびにこれまでの歴史をふまえ、「ヒロシマ」の意味を世界に広める場となることを望んでいます。
「ヒロシマ」の意味は、被爆の実相を我がこととして理解し、被爆者の声や訴えをしっかりと受け止め、核兵器のない平和な世界の実現をめざすことにあります。これまで広島・長崎だけが唯一、戦争による被爆を経験しました。原爆の犠牲になったのは何の罪もない一般市民であり、その苦しみは今なお続いています。
その後今日まで、核兵器が使われなかったことは重要な意味があります。被爆者が自らのつらい体験を証言し、その凄惨な状況を訴えることが、核兵器使用を世界で思い留まらせてきたのです。被爆者こそが核使用を阻止する核抑止の最大の力となってきました。G7各国首脳は広島に来たのであれば、まずは被爆者の声に耳を傾けるべきです。
世界各国は核不拡散条約(NPT)と、それを補完する核兵器禁止条約(TPNW)の二つの国際条約をもとに、核軍縮、核兵器廃絶の大きな流れを作り出そうと模索しています。NPT体制が認める核兵器保有国は、2022年1月に、「核戦争に勝者はおらず,決して戦ってはならない」とする共同声明を出しました。その直後、2月には核兵器保有国であるロシアによるウクライナ侵攻があり、核兵器使用の威嚇が繰り返されています。どの国であっても核兵器保有を認めてはならないことを証明する結果となりました。めざすべき方向性はTPNWの拡大であることは明白です。
核兵器廃絶を実現させるための具体的な一歩として、核保有国が「核の先制使用はしない」と宣言することが必要です。岸田首相が広島選出の首相として、核兵器廃絶を本気でめざすのであれば、まずは今回のG7サミットの場で、「核の先制不使用宣言」をとりまとめる責任を果たすべきです。そして、1日も早くロシア・ウクライナ戦争を終わらせるための外交努力に尽くすべきです。
私たちはこれまでも、「核と人類は共存できない」として、反戦・反核を訴えてきました。被爆の実相を原点とした世界のヒバクシャ援護・連帯と核廃絶運動、それらの次世代継承をめざし、今後も粘り強く運動を進めていきます。核も戦争もない平和な社会の実現のため、具体的な行動にとりくんでいくことを確認し、本集会のアピールとします。
2023年5月17日
5・17原水禁集会 参加者一同
アピールが採択された後、参加者全員で「核と人類は共存できない」「核兵器廃絶!」と書かれたプラカードを掲げるアピール行動を行い,集会は終了しました。
参加者は約180人、若い人たちの力が発揮されたよい集会でした。
いのちとうとし
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