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2023年4月18日 (火)

みんなの市民サミット2023―世界のヒバクシャとつながろう

昨日は、県被団連事務局長の田中聰司さんから案内を頂いていましたので、「みんなの市民サミット2023」の分科会の一つ、「世界のヒバクシャとつながろうー世界の核被害者の援助と国際協力を見据えてー」に行ってきました。

最初に田中聰司さんから、この分科会の意義について「本企画への思い」と題して、自らの被爆体験を基に、被爆者運動の歴史を振り返りながら、問題提起がありました。話された歴史の中では、マーシャルの被曝者が初めて原水禁世界大会に参加し、その年原水禁が調査団を派遣した歴史などについて、時間的な前後関係や、第1回原水禁世界大会で発言した被爆者が「生きていてよかった」と思いを述べたことが、第2回大会だったことなど、気になる点もありましたが、改めて歴史を振り返り、きちんと先人の運動を学ばなければならいことを思い起こす機会になりました。

さらに明治大学講師で反核法律家協会の山田寿則さんから、核兵器禁止条約の第6条(被害者に対する援助及び環境の修復)、7条(国際的な協力及び援助)についての簡単の解説がありました。

続いて、パネリストからの問題提起です。

最初に、KNOW  NUKES TOKYOの徳田悠希さんが、「ジェンダー問題からみる核問題」のテーマでスピーチ。続いて明星大学教授の竹峰誠一郎さんは、徳田さんの提起を受け、「若い人たちの関心は、核問題よりもジェンダー、環境問題だ」としながら「核兵器の拡散は、被害を拡散させた問題でもある。フォールアウトは、地球全体を被害者にしている」と指摘しました。竹峰さんは、マーシャルなど世界の核被害者の問題に深く関わっておられるので、その話を聞きたいと思っていましたが、そこに余り触れられなかったのが残念でした。

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次のスピーカーは、山田寿則さん。「核兵器禁止条約では、加害国と被害国との関係が大きく変わった。人権侵害という考え方が入った」と指摘。私は、核兵器禁止条約が成立したときから気になっていたのですが、「加害者責任」があまりにも不明確ではないかと思っていますが、山田さんからは、この点の指摘は無く、むしろ条約では「人権」という側面が強調されたのが印象的でした。4人目は、世界のヒバクシャと出会うユースセッションの高垣慶太さんで、「世界のヒバクシャは、誰なのか。」という視点からの問題提起が在りました。確かに「誰がヒバクシャなのか」は、今後核被害者問題を考える上では、重要なテーマとなるように思います。高垣さんが最後に言った「核サイクル社会のすべてで核被害者が出ることを初めて知った」という発言については、もう少し全体で掘り下げて欲しかったと思います。

その後会場からの発言もあり、予定の時間を少しオーバーして12時半ころこの分科会は終了しました。

参加して感じたことは、森滝先生が1987年の核被害者世界大会の基調報告の中で強調された「核燃料サイクルのすべての段階で放射線被害の可能性がある。その際に、被害者は多くの場合、弱い者の側に、差別され抑圧されている者の側に生ずるのである。」「国家や企業の強き側と使用される弱き側、その弱き側の差別抑圧、人権無視の上に核開発は行われる。力の文明の構造には、その根底に、権力によって支配抑圧するものと、権力によって差別・抑圧・無視される者との関係が横たわる。」という核被害者問題を考える上で重要に視点に対する思いが、弱いのではないかということでした。

いのちとうとし

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