中国電力の慰霊碑は、なぜ本願寺広島別院にあるの?―つづき
中国電力に電話をしたところ、資料室につながりました。
そこで私が問い合わせたことは、二つです。
・昭和23年に「弔魂塔」の下に埋葬された遺骨は、今も埋葬されたままですか。
・本願寺別院には、中国配電株式会社以外に民間の慰霊碑は建立されていないのですが、なぜ中国配電株式会社の原爆犠牲者の慰霊碑が、あの場所に立つことになった経緯がわからないでしょうか。
「調べてから連絡します」との返事でした。
翌日、「あの日 あのとき」の発行元である総務部から電話で回答がありました。
「『弔魂塔』の下に埋葬された遺骨は、今も埋葬されたままです。『弔魂塔』が、どういう理由で本願寺別院に建立されたのかは、資料も残っていませんので、残念ながらわからないのです。」
結局、中国電力に問い合わせても「中国電力(中国配電)の慰霊碑は、なぜ本願寺広島別院にあるの?」という疑問の回答を得ることは出来ませんでした。
中国電力から回答を得て、改めて本願寺別院に電話をし「『弔魂塔』の下に遺骨が今も埋葬されていることはご存じでしか」と尋ねたところ、「それは承知していませんでした。この本堂が、ようやく再建されたのも1964年になってからですので。その間の経緯は、ほとんど資料として残っていないのですよ」という答えでした。
今回の調査でも、明快の答えは得ることが出来ませんでしたが、調べてわかったことは、中国配電株式会社の慰霊碑「弔魂塔」の下には、今も遺骨が納められているということです。そこから想像できるのは、「遺骨を埋葬した慰霊碑を作るために場所として,会社の敷地の中ではなくお寺である本願寺広島別院が選ばれたのではないか」ということです。
ちなみに広島市のホームページ「原爆関係の慰霊碑などの概要」の「中国配電職員弔魂塔」の「建立経緯・来歴等」には「爆心地から680メートルに位置していた中国配電株式会社(現在の中国電力株式会 社)本店の犠牲者163人を始め、電業局、支店、被爆当時出張で広島にいて犠牲と なった社員全278人を慰霊するために建立された。」と書かれているだけで、遺骨が埋葬されていることは記載されていません。
このホームページで「遺骨の埋葬」について記載されているのは、平和公園内にある「原爆供養塔」の項に「土盛りの内部には、原爆犠牲者約7万人の遺骨が納められている。」だけのようです。
本願寺広島別院の「中国配電職員弔魂塔」を訪れたときには、そこに遺骨が埋葬されていることをまだ知りませんでしたので、碑の裏面に刻まれた文字の写真を撮りたいと「弔魂塔」が建つ盛り土の上まであがってしまったことが、今になって悔やまれます。
今のところ、「原爆供養塔」と「中国配電職員弔魂塔」以外に、遺骨が埋葬されている慰霊碑は無いように思いますが、慰霊碑には,それぞれに深い思いが込められていることをあらあめて感じながら、これからの「碑めぐり」を進めたいと思います。
いのちとうとし
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