衆議院憲法調査会と中山太郎さん
「元自民党衆議院議員中山太郎さんが、今月15日に逝去された」ことが、23日から24日にかけてマスコミで報道されました。
心からご冥福をお祈りいたします。
マスコミ報道では、外務大臣などの要職を務めたことなどの経歴とともに、衆議院憲法調査会(現在の衆議院憲法審査会の前身)の会長を務められたことが、特に詳しく触れられています。
今日、中山太郎さんのことを取り上げるのは、2000年6月から2003年10月までの私の衆議院議員としての活動の中で、どうしても忘れることの出来ない中山太郎さんとの関わりがあるからです。
私のわずか3年3ヶ月余りの国会議員活動の中で、特に強く印象に残っている活動が二つあります。
一つは、在外被爆者に被爆者援護法適用を実現させるための活動です。このことについては、いろいろな場で報告していますので、今日は省略します。
二つ目は衆議院憲法調査会の委員としての活動です。中山太郎さんとの関わりは、この憲法調査会の活動を通じてです。
2000年1月の通常国会から活動が始まった衆議院憲法調査会ですが、私が同調査会の委員となったのは、翌年1月の通常国会から、衆議院が解散した2003年10月までの2年10ヶ月です。中山さんは、衆議院憲法調査会の発足以来、同会の会長に就任されていますので、私が活動していた時期も当然のことですが、会長として憲法調査会の運営の責任者としての役割を果たされてきました。
中山太郎さんが憲法改正推進者であることはよく知られていますが、私がここで紹介したいのは、憲法調査会の運営にあたっては、「少数意見も含めて一人一人の考え方を丁寧に聞き、民主的な運営に努力された」ことです。
当時私は、社民党のオブザーバー理事(議員数が少ないため正式の理事にはなれなかった)として、憲法調査会の議事のあり方を協議する理事会への参加が許されていました。オブザーバー理事でしたが、理事会での発言は正規の理事と同じように発言することが出来ましたし、私の意見の多くが、とりあげられ、運営に反映されました。例えば、地方公聴会における意見陳述者の選考です。最初の仙台での地方公聴会こそ、各党の推薦方式でしたが、それ以降は,私たちの意見を取り入れ、意見陳述者を公募によって選ぶ方式に変えられたことも、その一つです。
中山会長が、少数者の意見を尊重する憲法調査会の運営を心がけられたのは、次のような考えがあったからだと私は思っています。
それは、「国の基本法である憲法を改正するためには、ただ多数決(憲法改正には、三分の二以上の賛成が必要)によって決めるのではなく、与野党の枠を超えてできるだけ多くの議員の賛同を得て進めるべきだ」という考えがあったからだと私は考えています。
だからこそ中山会長は、丁寧で民主的運営を心がけてこられたと確信しています。
今の衆議院憲法審査会の進め方は、「憲法改正それ自身が目的化」しており、中山太郎会長が心がけてこられて「憲法への向き合い方」は全く見ることが出来ません。
中山太郎元衆議院議員の訃報に接し、今そのことを思い起こしています。
いのちとうとし
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