旧被服支廠の保全を願う会懇談会の「慰霊祭と報告会」
被爆の実相の継承に努め、旧陸軍被服支廠をはじめとする被爆建物の保全のため、様々な啓発活動行っている「旧被服支廠の保全を願う会懇談会」の「慰霊祭と報告会」が、2月5日午前10時30分から、広島原爆資料館東館地下1階会議室で開催されました。
多賀副代表の開会あいさつのあと、原爆で犠牲となった人たち、とりわけ旧陸軍被服支廠の犠牲者を追悼するため、参加者全員で30秒間の黙祷を行い、一人一人が献花を行いました。
続いて内藤副代表から、パワーポイントを使って、この間の取り組みについて経過が報告されました。この経過を受けて、多賀副代表から、次のような今後の活動方針が提案されました。
「被爆者の高齢化が進むなかで建物の価値を再考する気運が高まり、保存・活用策が検討されている。ヒロシマの過去と未来をつなぐ存在として、認識が高まっている。
しかし、倉庫群は、大規模であるため、その補修には多額の費用が必要となる。
旧被服支廠の保全を願う懇談会では、原爆ドームの保存のとき行われたような募金活動を進めていこうと考えています。そのためには、倉庫3棟を所有する広島県に,原爆ドームの保存基金のような募金体制を整えていただけると、募金に一層弾みがつき、広く世界から関心が集まるのではないだろうか。旧被服支廠の保全を願う懇談会は、『赤レンガ倉庫基金(仮)』の創設を要望する。」
会としては、今後この方針に基づき、早急に広島県への申し入れを行うことを確認しました。
会では、2020年から募金活動を開始し、現在36万円の寄付が集まっています。
今回の会議で、新たに切明千枝子さんが、共同代表に選出され、中西巌さんとの二人が共同代表となることになりました。
共同代表となった切明さんから、挨拶とともに改めて自らの旧陸軍被服支廠との関わりの話がありました。
今年93歳の切明さんは、旧陸軍被服支廠と自分との関わりを話された後「今のことは忘れるのですが、あの頃のこと、被服支廠のことは忘れることがありません。旧陸軍被服支廠は、原爆ドームとは違います。原爆ドームが被爆前、県産物の展示館として民間が使っていたのですが、陸軍被服支廠はその名の通り、軍の施設として使われてきました。戦争を知り,戦後の復興を知る大切な建物です。どうしても残していかなければならない建物です。」と訴えられました。
この切明さんのお話で、会は終了しました。
旧陸軍被服支廠の建物4棟の保存は決まりましたが、未だどのように活用するのかは明らかになっていません。
募金を呼びかけるにしても、できるだけ早く「どのように活用するのか」をはっきりさせることがなければ、難しいと思います。保存活用方針の基本に、軍都廣島、そしてそれを担ってきた陸軍被服支廠の歴史、そして被爆の実相、復興の歴史がきちんと伝えられるように建物にすることが明記されなければなりません。そのような方向性がきちんと打ち出されるように、働きかけるのも私たちの役割だということを改めて感じた報告会でした。
いのちとうとし
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