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2023年2月 5日 (日)

ヒロシマとベトナム(その41)ベトナム象、広島を歩く-5

小春日和、広島城下を発つ

4月7日、朝5つ半時(午前9時)小春日和の広島城下を発ったベトナム象は、その日の宿である海田宿までの4里足らずの途に就きました。本川橋、元安橋を渡り広島城の天守を左に見ながら東に向かい、堀川町辺りを北に折れ、鉄砲町を東にとり、京橋と猿猴橋を渡り船越峠へと向かったと思われます。峠をくだると船越4丁目に残る常夜燈辺りからは緩やかな街道が海田宿まで続きます。

ルートは現在の府中町から瀬野川に続く県道とほぼ同じと考えてください。ご存知の方も多いと思いますが、車の離合にも難渋する道幅です。

象が泊まった場所が海田宿のどこであったのか記録が残されているのかも知れませんが分かりません。海田宿の要職を務める千葉家だったのか、脇本陣として使われていたと伝えられる庄屋の猫田新太郎宅だったのか・・・。この日は船越峠を越えるだけの比較的楽な15km余りの道程でした。しかし、楽あれば苦もあります。翌日とんでもない難行程、「西国街道最大の難所」と呼ばれた大山峠が待ち受けていることを象は知る由もありません。

Photo_20230204085602  

この日、広島っ子は “象を見た・・・・・・”

「交趾国より送られた象広島を通過、藩主吉長これを見る」(「吉長公御代記」)とあるように、ときの広島藩主・浅野吉長公も前日、城下の堺町内(現在の広島市中区堺町)まで出かけて象を見学するほどの珍獣です。この日の広島っ子はどうだったのでしょう。以前にも紹介した岡山藩の古文書を読み解いた岡山大学の資料を見てみましょう。この古文書は岡山藩が将軍様の像を粗相なく無事に領内を通過させるため、広島藩の様子を下調べした藩士が藩庁に提出した報告文書です。

象が驚き暴れるので、「通り筋家家簾(のれん)を釣り、或いは戸口を閉め家内人集まり候体見え申さぬように御触れの由」と、外に出ての見物は禁止です。「拠無(よんどころな)き用事につき往来仕らず候て叶わぬ儀これあるとも、通り筋を除け、外道を通り申すべき由、御家中、町方、郡方とも御触れ候由」と、よんどころない場合にも通りを避け脇道を通るようにお触れを出しなさいと念の入れようです。そうした結果、「広島街並み見物の者簾の内に静かに居り申し候、たばこの煙、またそのほか煙出し申さぬように御座候」という状況だったようです、

さらに、下をご覧ください。

Photo_20230204085603

白囲みでは「蟻、鼠、牛馬、犬、猫嫌い申し候やの事、広島御城下前日より繋ぎ申し候、尤も、小鳥等迄外へのけ申し候」と報告され、他の箇所では「犬猫も繋ぎ候事、広島の通り御当地も申し付くべく候」と、岡山藩でも広島のように申し付けることを具申されています。

この様にとても広島っ子は珍獣を見物できるような状況ではなく、犬も猫も、牛馬も、鳥も・・・・大迷惑なことだったことでしょう。迷惑では済まされないお触れも出されています。「広島にては、寺寺の鐘、太鼓、鉄砲等、そのほか音高き事は差し止めなされ候由、御当地も此の通り仰せつけられ然るべく存じ奉り候」と、象をびっくりさせるような音は一切禁止です。時を告げる鐘だけでなく火事などの危急の時に打ち鳴らす早鐘も駄目、趣味の音曲だけでなく鍛冶屋も作事の大工仕事や槌音も禁止です。

象が無事通過するまでの間は、見物はもちろん外に出ても駄目、音の出る仕事も禁止。随分のフラストレーションだったことでしょう。でも、同時に、遠く異郷の地を健気に歩く象に誰もが言い知れないシンパシーを感じたのではないでしょうか。そんな広島っ子の思いが記された文書がどこかに残っていないのか、関心が募ります。きっと、それはどこかにあると思います。

 いずれにしても、ベトナム象は海田宿につきました。次号(その42)では西国街道随一の難所、大山峠を越えを思い描いてみたいと思います。

(2023年2月5日、あかたつ)

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