「自滅(じめつ)の刃(やいば)」
映画、テレビ、漫画でも大ヒットし、今でも続編が計画されている「鬼滅の刃」、僕も映画館で観ていました。
中国電力が関西・中部・九州の電力会社と、法人向けの電力販売(特別高圧・高圧の契約)でお互いの販売エリアでのお客獲得を控えるというカルテルを結んだとされる、まさに前代未聞の破廉恥事件です。
16年4月からの電力全面自由化で誕生した、新電力会社の営業を妨害しようとした意図が明確な事件で、公正取引委員会から独占禁止法違反(不当な取引制限)で課徴金を払うように通知されました。
連日のように報道されていますから、多くの人が関心を持っていると思います。課徴金の総額は、中国・中部・九州の3社で1000億円超となり、その中でも中国電力は707億円となりダントツの最高額となりました。
このカルテルの元締めというか主導したとされている関西電力は、不正を最初に自主申告したことで、課徴金は免れると報じられています。『さすが浪速の商売人』と思いました。
中国電力本社
ある中国電力の知り合いは、「これは鬼滅の刃ならぬ、自滅の刃だ」と話していました。おもわず笑いそうになりましたが、700億円を超える額には身体が震えるような怒りが沸いてきました。
1997年11月、山一証券が不正会計事件によって自主廃業した時、当時の社長が涙と鼻水を流しながら「私らが悪いんであって、社員は悪くありませんから」と大きな声で叫ぶように語ったのを思い出します。
中電社内からは「関電から働きかけたのに、(関電は)課徴金を逃れるというならとんでもない話だ。全く迷惑千万だ」、「関電にはめられた」という、恨み節が聞こえてきます。
事件が起こったのは2018年秋ごろからのことです。当時の中電社長は清水希茂(しみず まれしげ)君、現在は会長となっています。この人らから「私らが悪いんであって…」という言葉は聞こえてきません。たぶん反省よりは、『運が悪かった』『関電が憎い』ということしか考えていないのでしょうね。
事件が発覚した時、公正取引委員会は関係書類やパソコンも押収したと聞いています。関電を恨むよりは、この時点でなにも手を打たなかった中電の判断力の無い体質が目に浮かびます。
何よりも、誰がどういう形でカルテルに関与したかという、事件の詳細と責任を明らかにすることだと思います。もちろん責任の取り方もです。それにしても、会社には監査役というのがいるのに、何もしなかったのでしょうかね。
中電は通期決算で1390億円の純損益赤字を発表したのは、つい先日の話しでした。これに課徴金707億円を足せば赤字は2097億円となります。役員は少しでも『私が悪いんだと』思うのなら、現在の役員報酬30%カットは軽すぎます。
『自滅の刃』から抜け出せない中電、鬼滅の刃のように生まれ変われ。無理だろうな!!!!
木原省治
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