原爆犠牲者の月命日の法要-その1
平和公園の原爆供養塔には、身元が分からないか、判明しても引き取り手のない遺骨約7万体が、納められています。
その原爆供養塔の前で、毎月6日に犠牲者の月命日の供養が行われていますが、私も昨日初めて参加しました。
以前から、新聞報道などでこの月命日の供養は知っていましたが、実際に自分も参加しようと思うきっかけとなったのは、今年8月6日にTSS(テレビ新広島)で放送された「ヒロシマ祈りの場の1年」を見たことです。この番組は、「祈りの場」としての平和公園で毎日行われている市民の様々な祈りの様子を昨年8月から今年7月までの一年間を通して取材して作られた番組です。
テレビ新広島ホームページより
この番組を見ながら、思い出しことがあります。この番組を制作した前田典郎ディレクターには、今年の元日が平和公園の原爆慰霊碑を訪れた時、そこで会い、新年のあいさつをしたのです。その時には、「新年早々から取材で大変だな」ぐらいにしか思っていなかってのですが、いまにして思えば、この番組を制作するための取材中だったのです。
番組の中心は、毎日夜明けとともに公園内にある原爆供養塔にやってきて、供養塔周辺の落ち葉を丁寧にかき集め献花台を清掃しておられる渡辺和子さんの姿や、毎月6日に月命日の供養のための読経を続けておられる呉市の白蓮寺住職の吉川信晴さんの姿でした。
昨日、ようやくこの月命日の供養に参加することができました。前夜に前田ディレクターに電話をかけ「いつ頃から始まりますか」と訊ねたところ「吉川住職は、8時ころには平和公園に来ておられます。始まるのは、はっきりと決まってはいないのですが、8時半前後ですね」と教えていただきましたので、遅れないようにと8時を目途に家をだました。
家を出ると、少しだけパラパラの小雨が落ちてきましたので「本格的な雨にならなければよいが」と心配しましたが、平和公園に着くと間もなく雨は上がりました。
供養塔に行くと三人の人が、清掃されている姿が目に入りました。
供養塔の周りの溝の掃除をされているのが、渡辺和子さんでした。
供養塔の北側で熱心に落ち葉を集めておられる二人に「どこから来られたのですか」と声をかけました。
びっくりする答えが返ってきました。「福岡から来ました」「えっ」聞き返しました。聞き違いではありません。「福岡」に間違いありませんでした。続けて「福岡で放送された『ヒロシマ祈りの場の1年』を見たのがきっかけで。どうしてもとの思いできました。」とのことです。番組を見て私と同じ思いをもった人がおられたのです。しかも福岡から。
福岡のお二人と話していると、前田ディレクターの姿が見えました。福岡のお二人の話をした後、前田ディレクターが「住職が近くで待っておられるのであいさつに行きます」とのことですので、同行させてもらいました。
吉川住職とお会いするのはもちろん初めてでしたが、少しだけ話を聞かせていただきました。「今朝は、6時45分に家を出かけ、呉市体育館前から高速バスに乗り、本通前で降りて、歩いてここまで来ました。今日は少し早く着きましたので、ここでゆっくりしていました。」その後、介護度5度の奥さんの介護のことに話が続きます。食事つくりから大変な毎日のようですが「もうすぐ86歳になりますが、介護のしながら、学ぶことが多いですよ。」と淡々と話されます。後で改めて聞いたのですが、私と干支は同じ、ネズミ年生まれ、ちょうど一回り違いです。私たち夫婦もそんな時期を間もなく迎えるけれど、そんなふうに生きられるかなと思いながら、話を聞いていると、すぐに30分くらいの時間が経ちました。「じゃー、供養を始めましょうかね」と読経が行われる供養塔の北側に一緒に移動しました。
前置きが長くなってしましました。今日の報告はここで終わりです。この後の様子は、9日に紹介します。
いのちとうとし
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